第2創業を迎えたユビキタス、“Internet of Things”時代をリードする「節電の見える化ソリューション」の早期実現を目指す:Sassorとの業務提携を発表
ユビキタスは、モノとモノとがネットワークでつながる“Internet of Things”時代を見据えた今後10年の新ビジョンと、“節電の見える化”サービスプラットフォームの実現に向けたSassorとの業務提携を発表した。
ユビキタスは2011年6月17日、あらゆるモノとモノとがネットワークでつながる“Internet of Things”時代を見据えた今後10年の新ビジョンと、同ビジョンに基づくパイロットプロジェクト第1弾として、“節電の見える化”サービスプラットフォームの実現に向けたSassorとの業務提携を発表した。
2001年に創業したユビキタスは今年で10周年を迎える。世界最小を自負する同社のTCP/IPスタックが創業数年でニンテンドーDSに採用(2005年)されて以降、JASDAQ上場(2007年)、組み込みデータベース「DeviceSQL」の知的財産権の取得(2008年)、デジタル家電に同社DLNA/DTCP-IP採用(2009年)、高速起動「Ubiquitous QuickBoot」の開発(2010年)など、堅実な成長を遂げてきたといえるだろう。
今年(2011年)3月に代表取締役社長に就任した三原寛司氏は、「この10年、小さく・軽く・速い、組み込みソフトウェアをアプライアンス側に提供し、任天堂の携帯ゲーム機『ニンテンドーDS』での採用に代表されるように、主にエンターテインメント分野での収益を中心に成長してきた。しかし、ユビキタスネットワーク市場での収益は上がらなかった」とこれまでの10年を振り返る。
そこで、同社は創業10周年を機に、これからの10年を“第2創業”とし、ユビキタスネットワーク市場での発展、つまり、モノとモノとをつなぐ“Internet of Things”におけるグローバルリーダーを目指すという。「当社のソフトウェア技術力により、あらゆるモノをつなぎ、さらにそこにヒトもつなげ、発信される大量の情報の中からお互いの求める価値を結ぶサービスプラットフォームを提供する」(三原氏)。この目標に向け、同社は他社連携やM&Aを視野に入れながら、新たにサービスプラットフォーム事業を手掛け、事業拡大を図るとのことだ。
この取り組みに向けたトライアルプロジェクトの第1弾が、4月に発表されたばかりの“節電の見える化ソリューション”無線LANモジュール内蔵電源タップ「iRemoTap」の早期事業化だ。「スピード感をもって世界に挑戦したい」(三原氏)という言葉どおり、今回(2011年6月17日)、同社の目指す方向性と同じようなコンセプトを掲げ、「Energy Literacy Platform」と呼ばれる電力の見える化ソリューションを手掛けるSassorとの業務提携を発表。両者の強みを生かした早期業務拡大を推進する構えだ。
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⇒ | 無線LANモジュール内蔵電源タップ「iRemoTap」 |
Sassorは、現在、Energy Literacy Platformの機能限定版「ELP Lite」と呼ばれるプロダクト(ELPモジュール、ELPレシーバ、ELP Webサイト/ELPスマートフォンアプリで構成)の予約販売を開始している。まずは、Sassorが提供するWebサービスプラットフォームに、現在試作段階中のiRemoTapを接続できるようにする計画で、その後、「“価値を結ぶ”サービスプラットフォームを両社共同で開発していく方針だ」(三原氏)という。
また、今回の“節電の見える化”に向けた取り組みだけでなく、ホームセキュリティや見守りサービス、パーソナルヘルスケアなどのさまざまなサービスを実現するためのプラットフォーム作りを目指し、他社連携やM&Aを積極的に活用していくとしている。
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