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モノのインターネットを実現するクラウドプラットフォーム「dalchymia」オープンテクノロジーを積極活用(1/2 ページ)

ユビキタスは、モノのインターネット(IoT:Internet of Things)の実現を支援するデバイス&データ管理プラットフォーム「dalchymia(ダルキュミア)」の提供を開始。組み込み技術とクラウド技術を組み合わせたソリューションにより、IoTおよびM2M(Machine to Machine)市場に向けた事業展開を強化する。

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ユビキタス

 ユビキタスは2014年2月12日、モノのインターネット(IoT:Internet of Things)の実現を支援するデバイス&データ管理プラットフォーム「dalchymia(ダルキュミア)」の提供を開始。組み込み技術とクラウド技術を組み合わせたソリューションにより、IoTおよびM2M(Machine to Machine)市場に向けた事業展開を強化する方針を明らかにした。

 dalchymiaは、IoTに必要な各種機能を備えたクラウドベースのプラットフォームで、各種センサーデバイスとの連携、外部ソースからのデータを集約するためのAPIおよびインタフェースなどを提供する。あらかじめユーザー認証やデバイス管理機能をはじめとしたサービス開発に必要な機能も実装されているため、低コストかつ迅速にIoT関連のサービスを立ち上げることができる。また、クラウドベースのプラットフォームであるため、接続されるデバイスなどの数が増加しても、スケール変更が柔軟かつ容易に行える。

 ユーザーは、dalchymia上に蓄積されたセンサーデバイスや外部ソースからのデータを活用することで、新たな価値、ビジネス機会を作り出し、さまざまなアプリケーションやサービスを展開することが可能になる。ちなみに、“dalchymia”というネーミングは同社の造語。「データ/デバイス」の頭文字の“d”と、ラテン語で「錬金術」を意味する“alchymia(アルキュミア)”を組み合わせたもので、“新たなる価値を生み出す”という思いが込められている。

 既に、ビッグデータやIoT/M2Mといったトレンドを受け、さまざまなクラウドサービスを提供・展開する企業が増えつつあるが、「クラウドとデバイスを連携させる部分を得意とするプレーヤーは少ない。ここが、組み込み分野で長年培ってきたわれわれの強みを生かせる部分だ」(同社)という。

IoT事業への取り組み

 同社がIoTに大きく舵を切ったのは、2011年6月のこと(関連記事:第2創業を迎えたユビキタス、“Internet of Things”時代をリードする「節電の見える化ソリューション」の早期実現を目指す)。創業10周年を迎えたこの年、これから先の10年を“第2創業”とし、IoTへの事業展開を強化する方針を発表した。その後、IoTプラットフォームの実現に向けた研究プロジェクトをスタート。その間、HEMS分野に特化した製品およびサービスとして、無線LAN内蔵電源タップ「Navi-Ene Tap」と電力の見える化クラウドサービス「Navi-Ene」をリリースした(関連記事:「iPadから遠隔操作で電源オフも」――お手軽・簡単な電力見える化サービス「Navi-Ene」を試す)。

 2013年に入ると、複数のパートナーや教育・研究機関などとともに、コンセプトシステムを開発。実証実験を進めると同時に、展示会などでもその成果をアピールしてきた。「組み込み一筋だったユビキタスという会社が、いきなりクラウドベースのプラットフォーム製品をリリースしても市場から認められないと考えた。自社サービス(Navi-Ene)の開発・展開、研究開発などを段階的に進めることで、実績を積み上げ、ようやく製品化にこぎつけた」(同社)という。

ユビキタスのIoT事業への取り組み
図1 ユビキタスのIoT事業への取り組み

dalchymiaのサービスコンセプト

 dalchymiaが掲げるサービスコンセプトは大きく3つある。1つは「Intelligent connectivity interface for devices」だ。これは機器がクラウドと連携するためのAPIやインタフェースなどを提供することを指す。「まず何より、機器とクラウドを接続するためのハードルを下げることが必要。通常であれば、機器側にソフトウェアを組み込まなければならないし、クラウド側も接続する機器ごとの対応が必要になる。これだと大変なので、一般的な通信プロトコルを一通りサポートすることでなるべく手間を省き、取りあえず“モノがあればつなげられる環境”を目指した。そのためのAPIやインタフェースがdalchymiaには用意されている」(同社)という。

 2つ目が「High availability and abstracted data store」である。ビッグデータを取り扱うためのデータストアの整備を目的に、どんなデバイスからのデータでもきちんとストアできるようにデータモデルの抽象化を進め、独自のデータ抽象化モデルを構築したという。「今回、テクノロジーとしてかなりオープンなものを採用している。データストアに関しては、Hadoop(HBase)で行っている」(同社)。

 そして、最後が「Simplicity build service on cloud」である。これは、サービス構築をサポートするクラウド環境の提供を意味する。本来、上位アプリケーションはプラットフォームを使用してサービスを構築する側が用意しなければならないが、dalchymiaでは接続したセンサーデバイスの状態をすぐに確認・可視化できるよう、標準でHTML5を採用したビジュアルインタフェースを用意している。

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