「iPadから遠隔操作で電源オフも」――お手軽・簡単な電力見える化サービス「Navi-Ene」を試す:消費電力を測る・生活を見守る(1/3 ページ)
HEMSのように大規模な導入・設置工事なしに、“電力の見える化”を実現できるサービス/製品が登場しつつある。その1つが、ユビキタスが開発した無線LAN内蔵電源タップ「Navi-Ene Tap」と電力の見える化クラウドサービス「Navi-Ene」だ。今回、設置・導入の手順や使用感などを紹介する。
最近では、メディアに取り上げられる機会も減り、商業・公共施設などの照明も以前の状態に戻りつつあるため、東日本大震災の発生直後よりも、“節電意識”は徐々に低下傾向にあるのではないだろうか……。
ただ、そうは言っても、電気利用料金の上昇に伴う家計などへの影響は無視できないところだ。特に、真夏や真冬のように冷暖房が大活躍する季節は、その影響が顕著に表れる。
では、節電のために何ができるのだろうか。冷暖房であれば設定温度を調整する、その他の機器であれば小まめに電源を「オフ」にし、使い終わった(もしくは未使用の)機器のコンセントを抜く程度の対策だろう。さらに、もう少し積極的な対策であれば、古い機器(電化製品)を買い替える、照明を全てLED照明に切り替えるというのも手かもしれない。
しかし、こうした節電対策にどれほどの効果があるのだろうか。おそらく具体的な数値などで、きちんとそれを把握している人は少ないのではないか。そのすべも、せいぜい電気利用料金の明細を見比べる程度だと思う。
やはり、消費電力量や電気利用料金、節電対策の効果などが、常に目に見え、リアルタイムに確認できなくては、地道な節電活動も長続きはしない。そういった意味で今、電力の見える化に関するソリューションに注目が集まっている。
手軽に電力の見える化を導入できる時代に
最近では、太陽光発電の普及や国からの補助金制度が後押しし、発電量と消費電力量を“見える化”する「HEMS(家庭向けエネルギー管理システム)」の導入が進んでいる。しかし、大規模な設置工事が必須の場合がほとんどで、導入ハードルはまだ高い。
こうした課題を受けてか、現在、導入費用が10万円前後(補助金の適用で数千円程度の負担額になるケースも)で、家庭内の分電盤に利用者自身が計測器を取り付ける方式なども登場している。NTT東日本の「フレッツ・ミルエネ」やケイ・オプティコムの「Smart Ecowatt for eo」がその代表である。
この方式であれば、大規模な設置工事が不要であり、新築・既築問わず比較的容易に導入することができる。家全体の消費電力量やブレーカーごとの消費電力量を計測できる他、機器ごとに専用の電源タップを装着することで、機器単位の消費電力量も見える化することが可能だ。利用者は、PCやタブレット端末で、毎日の消費電力量を時間帯別にグラフ表示して確認したり、電気利用料金の目安を確認したりすることができる。ただし、このタイプの場合、利用条件(専用のインターネット接続サービスの契約が必要など)が設けられていたり、月額利用料が発生したりするケースがある。
これとは別に、より気軽で簡単に、電力の見える化を実現できる製品も登場しつつある。例えば、サンワサプライから発売されている無線LAN内蔵電源タップ「Navi-Ene Tap」(開発元:ユビキタス)がその1つだ。こちらは、分電盤に取り付けるタイプではないので、家全体やブレーカー単位での計測はできない。電源タップという特性上、家庭内のある限られた範囲の機器が対象となる。
Navi-Ene Tapの最大の特徴は、設置が簡単な点にある。無線LANが整っている環境さえあれば、後は、Navi-Ene Tapをコンセントに接続し、簡単な設定をするだけですぐに使用できる(WPS対応の無線LANアクセスポイントにワンプッシュで接続可能)。
Navi-Ene Tapで収集された計測データは、電力見える化クラウドサービス「Navi-Ene」に蓄積・管理される。ユーザーは、PCのWebブラウザやタブレット端末(現在、iPad専用アプリが公開されている)を用いて、消費電力量の表示や遠隔電源制御(遠隔からの電源「オフ」機能)などの基本機能を無料で利用することができる(なお、有料オプションとして、今後、さまざまなコンテンツサービスを提供する予定とのこと)。
以上、提供される機能の内容やサービス利用料(価格帯や有料・無料)、利用条件などは異なるが、大規模な工事をせずに「手軽に電力の見える化を導入したい」という人にとっての選択肢が増えているのが現状だ。
次ページ以降で、導入・設置がラクな電力見える化サービスの一例として、Navi-Ene/Navi-Ene Tapの使用感についてリポートする。
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