図研、熟練設計者のナレッジ活用方法をシステム化した「Knowledge Explorer」を提供開始:製造ITニュース
Word、Excel、PowerPointなどのMicrosoft Office文書、PDF文書、HTMLなどの複数の情報源を参照し、必要とする設計者に必要なタイミングで必要となる情報をプッシュ型で通知する。
図研は2014年1月31日、住友電工情報システムの高速・大容量エンタープライズ検索システム「QuickSolution」をベースに開発したプッシュ型ナレッジ共有システム「Knowledge Explorer」の提供を開始すると発表した。
Knowledge Explorerは、熟練設計者が製品設計時に過去の製品情報やトラブル情報などを参照するノウハウをシステム化したもの。Word、Excel、PowerPointなどのMicrosoft Office文書、PDF文書、HTMLなどの複数の情報源を参照し、必要とする設計者に必要なタイミングで必要となる情報をプッシュ型で通知する。「どんな情報を、どういうところから参照して作業を進めているか」という熟練設計者がナレッジを利用するノウハウを、経験の浅い社員でも活用できるようになるという。
例えば、過去に剛性不足が見つかった特定部品を新製品の設計に組み込む場合には、当該部品を利用する際の注意事項や、代替可能な類似部品に関するドキュメントなどを参照する必要がある。このような場合に「Knowledge Explorer」を導入していると、当該部品に関連した操作をする際、事前に設定した条件に従って、当該部品が関係した過去の剛性不足による製品故障事例など、適切なナレッジをプッシュ表示してくれる。また、「必要なナレッジを参照していない場合に部品の入れ替え作業をさせない」といった不適切な作業プロセスの抑止も可能だとしている。
部品・モジュールに「切削ABS」を使用する場合、「剛性不足」に関する「不具合」が過去に起こっていないかと調べるため、関連情報を社内の共有フォルダ「不具合報告書」から抽出して自動的にプッシュ表示するための設定例
Knowledge Explorerは図研の(製品ライフサイクル管理)PLMシステム「PreSight」の「visual BOM」「BOM Producer」のオプション機能として提供される。2014年2月末には参照対象のドキュメント類を自動分析して、過去の「不具合件数」や「故障件数」をグラフ化する機能もリリース予定。価格は1000万円(税別)。
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