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「まねできる技術は守っても無駄、教えてしまえ」日本ロボット学会小平会長SCF2013 ラウンドテーブル(前編)(2/2 ページ)

SCF2013で開催されたラウンドテーブルセッションでは「日本のものづくりの未来が見える」をテーマに各界の識者が登壇し、日本のモノづくりの現状の課題と将来像を語った。

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日本のロボット産業ならではの試練

 特にロボットメーカーにとっては、日本が世界をリードしている存在だからこその難しさを抱えているという。「リーダーシップを取り、業界全体の発展を導きつつ、日本独自の強さを保ち続けるということには一種のジレンマのようなものがある。中国などでも産業用ロボット産業が成長しつつあり、今は技術力で差があっても、いずれは迫る可能性がある」(小平氏)と先行者であるからこその厳しさを訴える。

 現在のロボット技術は見よう見まねで60〜70%程度のパフォーマンスであれば実現できてしまうとされ、残りの30〜40%程度が日本の技術力ということになる。「それは経験知であったり、明文化できていないノウハウのようなものだ。教科書や説明書に載せられるようなことは全てまねされると考えた方がいい」(小平氏)。

 それでは、日本のロボットメーカーはどのように取り組むべきなのだろうか。

小平氏
日本ロボット学会会長の小平紀生氏

 小平氏は「見よう見まねでまねされるものは守ろうとしても守れるものではない。全て教えてしまえばいい。残りのまねしようにもできない部分を守らなければならない」と語る。

 その守らなければならないノウハウとは「キーパーツや材料を使いこなす技術」「使用目的に合った制御技術」「製品に仕上げる手法や手段」などだ。

 「単純に性能が良いというよりも、生産現場で“役に立つ”ということが重要だ。産業用ロボットが登場した時期には、とにかく優れた能力のロボットを導入すればいいという考え方だった。しかし、いくら性能が高くても生産ラインに組み込んだ時にそこまでの能力が必要ないのであれば、高額なロボットを買う必要性はない。どうすればどういうところで力を発揮できるかということは、ノウハウの蓄積がないと判断できない」(小平氏)。

世界で一番難しい生産システム

 ただ、その部分についてもいずれ明文化できるようになり、そうすればまねできるようになる。だから「優位性を保っている間に次へ次へと、常に“世界で一番難しい生産システム”に挑み続けなければ、競争力は保てない」と小平氏は主張する。

 “世界で一番難しい生産システム”に挑むには「ロボット技術の革新」「システム技術の革新」「製造業アライアンス」の3つが必要だという。

 小平氏は「ロボットではさまざまな技術進化はあったものの基本構成は同じ。基本構成を見直すような抜本的な革新に挑んでいくべきだ」と主張する。同様に日本のシステムインテグレーターについても「非常に優れているが、“経験と勘”に頼る部分も多く、国際化が進む中で科学に基づいたシステム構築ノウハウが必要。システムエンジニアリングの技術革新もなかなか生まれにくい状況だ。これらを打破するために、技術革新のためのアライアンスもあっていいのではないか」と話している。

後編に続く)

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