「アコードプラグイン」の複合燃費は70.4km/l、アウトランダーとプリウス上回る:販売は法人向けリースだけ(2/2 ページ)
ホンダが発表したプラグインハイブリッド車(PHEV)「アコード プラグイン ハイブリッド」は、PHEVとしての燃費を示す複合燃費(JC08モード)について、三菱自動車の「アウトランダーPHEV」や、トヨタ自動車の「プリウスPHV」を上回る70.4km/l(リットル)を達成した。
「アウトランダーPHEV」「プリウスPHV」と比較
アコード プラグイン ハイブリッドを、既に国内で販売されているPHEVである「アウトランダーPHEV」(「Eグレード」)や「プリウスPHV」(「Lグレード」)と比較した。表1に、各車両の、EV走行距離、複合燃費(JC08モード)、ハイブリッド燃費(JC08モード)、電力量消費量(国土交通省審査)、充電時間(200V電源)、電池容量、CEV補助金込みの実質購入可能価格を示している。
車両名 | アコード プラグイン ハイブリッド | アウトランダーPHEV | プリウスPHV |
---|---|---|---|
複合燃費(JC08モード) | 70.4km/l | 67.0km/l | 61.0km/l |
ハイブリッド燃費(JC08モード) | 29.0km/l | 18.6km/l | 31.6km/l |
電力量消費率(国土交通省審査) | 9.26km/kWh | 5.90km/kWh | 8.74km/kWh |
車両重量 | 1740kg | 1770kg | 1675kg |
充電時間(200V電源) | 約1.5時間 | 約4時間 | 約1.5時間 |
EV走行距離 | 37.6km | 60.2km | 26.4km |
電池容量 | 6.7kWh | 12kWh | 4.4kWh |
実質購入可能価格 | 460万円 | 302万4000円 | 272万円 |
表1 3社のPHEVの性能比較 |
PHEVとしての燃費を示す複合燃費は、電池容量の多いアウトランダーPHEVや、より小型のプリウスPHVを上回る70.4km/l(リットル)を達成した。ただし、HEVとして走行させた場合の燃費であるハイブリッド燃費は、プリウスPHVに軍配が上がった。
ハイブリッド燃費でプリウスPHVの方が良好であるにもかかわらず、複合燃費はアコード プラグイン ハイブリッドが上回った理由は、EV走行時の燃費に相当する電力量消費率に表れている。プリウスPHVの8.74km/kWhに対して、アコード プラグイン ハイブリッドは9.26km/kWhであり、1kWh当たりの電力量で走行できる距離が多いのだ。この値は、ホンダの電気自動車(EV)「フィットEV」に匹敵するという。
車両重量は、アコード プラグイン ハイブリッドとアウトランダーPHEVは、1750kg前後とほぼ同等で、プリウスPHVより重い。にもかかわらず、アコード プラグイン ハイブリッドの電力量消費率はプリウスPHVを上回っていることには驚かされる。これは、もともとハイブリッド車向けに開発されたシステムを使ってEV走行しているプリウスPHVと比べて、アコード プラグイン ハイブリッドのSPORT HYBRID i-MMDが、HEVとPHEVの双方で最適な走行ができるように開発されているからだろう。
車両のボディサイズと電力量消費率の比較。「アコード プラグイン ハイブリッド」は、車両サイズが最も大きいが、MPGe(1マイル当たりの走行マイル数に換算した燃費)は「フィットEV」に匹敵する(クリックで拡大) 出典:ホンダ
EV走行距離は、それぞれが搭載するリチウムイオン電池の容量に比例している。アコード プラグイン ハイブリッドは、アウトランダーPHEVの60.2kmよりも短く、プリウスPHVの26.4kmよりも長い。
各PHEVのCEV補助金の額は、アコード プラグイン ハイブリッドが40万円、アウトランダーPHEVが30万円(急速充電機能無しモデル)、プリウスPHVが33万円である。アコード プラグイン ハイブリッドが最も多いものの、これを差し引いた実質購入可能価格はアコード プラグイン ハイブリッドが460万円と圧倒している。実に、アウトランダーPHEVよりも150万円以上高いのだ。この価格を考えると、法人や官公庁向けのリースに限定して販売するのは仕方がないのかもしれない。
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