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「プリウスPHV」の電力供給オプション、荷室下部の空きスペース活用で年内発売CEATEC 2012

「プリウスPHV」の外部に電力を供給するためのオプションが、2012年内にも設定される予定だ。荷室下部にあった空きスペースに、同オプションに必要なDC-ACコンバータユニットを組み込むことで早期の商品化にこぎつけた。

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「プリウスPHV」の充電コネクタに「ヴィークルパワーコネクタ」を接続した状態

 トヨタ自動車は、小型電気自動車(EV)「eQ」(関連記事1)などと併せて発表した「環境技術開発の取り組みと今後の展開計画」の中で、プラグインハイブリッド車(PHEV)「プリウスPHV」の外部に電力を供給するオプションを設定するとともに、グレードの追加などによって商品力を強化する方針を示している。

 同社は、「CEATEC JAPAN 2012」(2012年10月2〜6日、幕張メッセ)において、コンセプトカー「Smart INSECT」(関連記事2)やeQの他に、プリウスPHVも展示し、外部に電力を供給するオプションを紹介した。

 展示では、この外部に電力を供給するオプションの名称を「V2L(Vehicle to Load)」としていた。V2Lは、プリウスPHVの充電コネクタに接続する専用の「ヴィークルパワーコネクタ」から、1.5kWの電力(AC100V/15A)を外部に供給できるシステムである。主に、災害時などの非常用電源としての利用を見込んでいる。2012年末までに、プリウスPHVの新たなオプションとして設定される予定だ。

左の写真は「プリウス」の充電コネクタに接続した「ヴィークルパワーコネクタ」。ヴィークルパワーコネクタの接続中は、シフトポジションが「P(停車)」に固定されるので、接続した家電の引きずりなどを防止できる。右の図は、「V2L」による外部電力供給のイメージである。(クリックで拡大)

 V2LをプリウスPHVに搭載するには、外付けのヴィークルパワーコネクタの他に、リチウムイオン電池パックの直流電力を交流電力に変換して出力するDC-ACコンバータユニットも必要である。しかし、プリウスPHVは、ベース車の「プリウス」の荷室下部にあったスペアタイヤの設置スペースを使ってまで大容量のリチウムイオン電池パックを搭載しており、車両内部に新たなユニットを追加するのは難しいと見られていた。

 同社の説明員は、「荷室下部には、DC-ACコンバータユニットを組み込むだけの空きスペースがまだある」と述べている。これにより、2012年内という短期間で、新たなオプション機能の追加が可能になったようだ。また、V2Lを設定する場合に荷室の容積が減ることもないとみられる。

 なお、搭載するリチウムイオン電池パックの容量を減らして低価格にするといった追加グレードの開発については、「空きスペースにユニットを組み込むだけで済むV2Lとは異なり、新たな開発や試験が多数必要になる」(同説明員)という。このため、2012年度内に追加グレードが市場投入される可能性は低そうだ。

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