次世代モノづくりのカギはバーチャル化とビッグデータ活用にあり:製造ITニュース 富士通フォーラム(2/2 ページ)
開催中の富士通フォーラム2013では、富士通が自社で取り組んできた実績を基に、3次元(3D)によるバーチャル化と、ビッグデータ活用によるモノづくりの省力化と自動化、品質の向上を訴えている。
製造現場にビッグデータを活用する
ビッグデータの製造現場への活用にも注目が集まる。「生産現場ビッグデータ活用ソリューション(仮)」とし、富士通とともにオムロン、日本マイクロソフトと共同で出展した。オムロンの制御装置(Sysmac NJシリーズ)から出力されるデータを、マイクロソフトのSQLサーバに収集し、不具合検知など全世界の工場のリアルタイム監視を実現できるソリューションを提供する。これらのデータを分析することで、製品や製造ラインの不良原因などを特定することが可能となる。
製造業ではグローバルでの最適地生産が大きなテーマとなっており、海外工場の最適な配備やオペレーションが求められているが「これらのソリューションによって、技術者の派遣コストを抑えつつ、稼働率や歩留まりの向上を実現できる」(富士通システムズ・イースト産業ソリューション本部コンバージェンスソリューション部西村威彦氏)。
また、制御装置を提供するオムロンのインダストリアルオートメーションビジネスカンパニー コントロール事業部 第一事業推進部課長の本条智仁氏は「生産工程などを考えるのは人間だが、自動化した生産ラインを実際に稼働させているのは制御機器。制御機器のデータを見ることでラインの稼働状況は把握できる。従来は処理能力の問題などで十分に利活用できなかったが、環境が整ってきた」と話している。2013年4月にリリースしたばかりだが、FPDや電子部品、医薬品などの業界から強い引き合いがあるとしている。
生産設備のサポートにARを活用
生産設備のサポート現場におけるスマートデバイスの活用およびデータ活用も注目を集めた。設備にAR(Augumented Reality:拡張現実)マーカーを張り付け、スマートデバイスのARアプリを通して見ることで、過去の作業状況や作業の注意点などを実際のモノに関連付けて表示できる。
また現場でスマートデバイスから作業情報を入力し、そのデータを高速処理できる独自ソフトウェアやHadoopの高速化技術などを活用。入力された情報を基に分析処理し、結果をその場ですぐにフィードバックするソリューションなども紹介された。既に富士通内の生産設備管理に活用しているという。
その他、HPC技術によるビッグデータ処理の高速化なども紹介。「HPCプラットフォームは高い演算能力を少ないリソースで活用できる。活用しやすいオープンソースのソフトウェアなどもリリースされ製造業向けでも活用が増えている」(富士通統合商品戦略本部PRIMERGYビジネス推進統括部PCクラスタビジネス推進部)。
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