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次世代モノづくりのカギはバーチャル化とビッグデータ活用にあり製造ITニュース 富士通フォーラム(1/2 ページ)

開催中の富士通フォーラム2013では、富士通が自社で取り組んできた実績を基に、3次元(3D)によるバーチャル化と、ビッグデータ活用によるモノづくりの省力化と自動化、品質の向上を訴えている。

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次世代モノづくりとは?

 製造業の復権には製造現場の進化が不可欠――。富士通は、「富士通フォーラム2013東京」(2013年5月16〜17日、東京国際フォーラム)で「次世代ものづくり」として、バーチャル化やビッグデータ活用による新たな製造現場の姿を訴えた。

 富士通フォーラムの「ものづくり革新」ステージでは、製造業向けの各種ソリューションが登場。特に注目を集めたのが、3次元(3D)プリンタやインタラクティブホログラムディスプレイ、MR(Mixed Reality:複合現実)などを活用した、設計・開発・生産準備のバーチャル化だ。

 3DCADによるデータを基に、3Dによる直感性を生かすことで、デジタル・データによるバーチャルな空間の中ではあるが、高い再現性を持って実現できる。そのため従来必要だった度重なる試作や手戻りの削減が期待されている。

開発期間、コストを半減

 富士通では、既に自社の生産革新活動の一環で、モノづくりのデジタル化・バーチャル化を推進。携帯電話機やノートPCの生産など、自社製品での展開を広げており、携帯電話機では開発期間と開発コストを半減することに成功したという。さらに各種バーチャル・プロダクトの自社活用も進めており、今回は自社での成果をサンプルとし、外部への販売を進める方針だ。

 同社民需ビジネス推進本部ものづくりビジネスセンターものづくり革新ビジネス推進部でマネージングコンサルタントを務める山辺晃生氏は「設計・開発や生産準備などデジタル化し、仮想空間で試作やテストができることでコストや開発期間を大幅に下げることができる。携帯電話機やPCだけでなくスーパーコンピュータの設計・生産などにも活用し、採用範囲を広げている」と話す。

3Dプリンタが人気

 バーチャルプロダクトとしては、協力会社から3Dプリンタ、インタラクティブホログラムディスプレイ、MRが披露された。

ストラタシスの3Dプリンタ
ストラタシスの3Dプリンタ。CADデータを造形するデモは人気を呼んだ(クリックで拡大)。

 3Dプリンタはストラタシス・ジャパンが出展。3DCADデータから高性能プロトタイプとして造形する実演を行い、多くの来場者の関心を集めていた(関連記事:3次元プリンタの価格が半減へ、日本市場の比率高まる)。


インタラクティブホログラムディスプレイ
zSpaceのインタラクティブホログラムディスプレイ。メガネとスタイラスで3D立体に見える部品や製品を扱うことができる(クリックで拡大)。

 またインタラクティブホログラムディスプレイは、米国zSpace、米国ISI−Dentsu of America、ソリューション・ビジネス・ウエアの3社が共同出展。作成されたCADデータをホログラムディスプレイで立体表示し、専用メガネをかけることで3Dで製品や部品を見ることができる。スタイラスにより製品や部品を移動/回転させることができ、また視点なども変更可能である(関連記事:3次元CADも「見える」から「そこにいる」へ)。

電通国際情報サービスのMR
電通国際情報サービスのMR。周囲から見ると分からないが、体験者からは現実の視界とCGによる映像が合わさって見えている(クリックで拡大)

 電通国際情報サービスが出展したMRは、位置・姿勢センサーやビデオカメラを備えたHMD(ヘッドマウントディスプレイ)を装着することで、現実の映像と仮想CG映像をシームレスに合成するもの。HMDはキヤノン製で、電通国際情報サービスが富士通の「GP4」と組み合わせることで生産ラインとプロセスを仮想化。仮想量試を実現し、現場改善をサポートする(関連記事:試作レスが加速――現実とCGを融合「MRシステム」キヤノンが発売)。

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