2012年に最も引用された特許は「有機EL」、どの企業の?:知財ニュース(2/2 ページ)
知財戦略の基礎は、自社の知財の把握と競合の知財のリサーチにある。パテント・リザルトは、2012年に最も引用された特許トップ100を集計、そのうち10位までを公開した。上位にはディスプレイ関係の特許が並んでいる。
どのようなディスプレイの特許なのか
第1位のNECは、公開特許公報の要約の課題に「電流制御素子の駆動回路において、駆動トランジスタのしきい値特性のばらつきの影響を解消する」とある。パテント・リザルトによれば、ソニーの出願に対する拒絶理由に多く引用されている他、富士フイルムやグローバルOLED、三洋電機などの出願にも引用されている。
第2位のジャパンディスプレイの公報は同様に「画面内に大きな輝度傾斜があるような画像に対してもダイナミックレンジを拡大することができ、高品位の画像を表示することが可能な表示装置を提供する」とある。パテント・リザルトによれば、もともと、東芝によって出願されたものであり、2012年にはシャープの特許など21件に引用された。2012年以前に引用された件数も含めると、これまでに61件の公報の拒絶に引用されており、当該分野における中心的な特許であることがうかがえるという。
第3位のジャパンディスプレイイーストとパナソニック液晶ディスプレイの公報には「画像表示装置の表示輝度範囲を理想の範囲に拡大し、かつ、画像品質も確保すること」とある。
第4位のShell Internationalの公報は、潤滑剤の粘度と組成に関するものであり、JX日鉱日石エネルギーやChevronなど19件の出願に引用されている。
第5位の城戸淳二氏、三菱重工業、ロームの公報には「高輝度発光で長寿命の有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する」とある。
なお、パテント・リザルトは、今回の分析を含むランキングトップ100などを収録した「他社拒絶件数ランキング2012」を販売している。
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