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【ETWest2011】震災復興への取り組みを広くアピール!! TOHOKUパビリオン組み込みイベントレポート(1/2 ページ)

先に行われた「Embedded Technology West 2011/組込み総合技術展 関西」では、宮城県と岩手県に拠点を置く企業5社が「TOHOKUパビリオン」に出展。震災に負けない力強い姿勢で、自社の技術力をアピールしていた。

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 2011年6月16、17日の2日間、インテックス大阪で「Embedded Technology West 2011/組込み総合技術展 関西(以下、ETWest2011)」が開催された(主催:社団法人 組込みシステム技術協会)。

 本稿では、東日本大震災の被災地域である宮城県と岩手県に拠点を置く、企業5社が合同出展していた「TOHOKUパビリオン」の出展内容を紹介する。

 なお、筆者がETWest2011会場で注目したその他の展示内容については、「【ETWest2011】組み込み技術の最新トレンドが凝縮!! 関西版Embedded Technology展を見てきた」をご覧いただきたい。

ETWest2011が行われたインテック大阪
画像1 ETWest2011が行われたインテック大阪

頑張ろう東北! 頑張ろう宮城! 岩手!

 東日本大震災による被害が比較的少なかった地域では、「風評被害」や「遠慮被害」に見舞われている企業もあるという。

 こうしたイメージを払拭し、東北地域の復興への取り組みを広くアピールする一環として、今回のETWest2011では「頑張ろう東北! 頑張ろう宮城! 岩手!」のスローガンの下、TOHOKUパビリオンが設けられ、宮城県と岩手県の企業5社が自社の技術力を全面に訴求していた。

「頑張ろう東北! 頑張ろう宮城! 岩手!」TOHOKUパビリオンの様子
画像2 「頑張ろう東北! 頑張ろう宮城! 岩手!」TOHOKUパビリオンの様子

アイキャッチ型デジタルサイネージ

 ステレオカメラ(2台のUSBカメラ)画像の視差(映る位置の違い)から人物との距離や向きを自動で認識し、動的により視聴効果の高いコンテンツを表示させる「アイキャッチ型デジタルサイネージ」を手掛けていたのが宮城県に拠点を置くSJCだ。

SJCの「アイキャッチ型デジタルサイネージ」
画像3 SJCの「アイキャッチ型デジタルサイネージ」

 「このシステムにより、遠くにいる人に向けては文字や画像が大きなコンテンツを表示させたり、近くにいる人にはより詳細な情報を表示させたりといった“サイネージの効果的な利用”が可能となる」(説明員)という。なお、デモ環境ではWindows 7(32ビット版)を搭載したノートPCが用いられ、実際に視聴者との距離を判定してコンテンツを切り替えていた(パラメータにより認識範囲などの調整が可能)。

 同デジタルサイネージは、東北大学 情報知能システム研究センターの技術指導の下、「平成22年度 仙台市プロトタイプ作成支援委託事業」として開発されたもので、東北大学 情報知能システム研究センターの技術を活用することで認識画像処理技術を可能にし、高度な距離認識を実現しているとのこと。また、モデル駆動開発により、再利用性が高く、ハードウェアに依存しない(他のカメラソリューションへの展開も容易な)作りとなっているのが特長だ。

関連リンク:
SJC

ステレオカメラと熱画像カメラの画像をマッチングする技術

 3次元計測した画像と他の画像をマッチングさせる技術に特化した画像処理ソフトウェアの開発を行っているのが東杜シーテック(宮城県)だ。

 ETWest2011会場では、ステレオカメラと熱画像カメラの画像をマッチングして、3次元で表現された熱画像を作り出す技術を紹介していた。ここで用いられているのは、東北大学 青木研究室が研究している「位相限定相関法(POC:Phase Only Correlation)」と呼ばれるアルゴリズム。「このアルゴリズムを使うことで、より高精度な画像マッチングを実現できる。さらに、この手法であれば基本的にアルゴリズムを変更しなくても、さまざまな分野で応用することが可能だ」(説明員)という。

 2012年中のサンプル出荷を目指しており、説明員は「段ボールの組み立てなどに必要な接着剤を塗った場所や接着剤の温度を検査したり、製品の最終検査などで活用できるだろう」と話していた。

実験環境ステレオカメラと熱画像カメラ 画像4 ステレオカメラと熱画像カメラの画像をマッチングする技術(1)

マッチングさせた画像(平面)マッチングさせた画像(立体) 画像5 ステレオカメラと熱画像カメラの画像をマッチングする技術(2)

関連リンク:
東杜シーテック

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