パートナー15社が集結、Windows Embedded百花繚乱:ET2010 Windows Embeddedレポート(1/2 ページ)
「Windows Embedded」ブランドを前面に掲げ、「組込み総合技術展 Embedded Technology 2010」に出展したマイクロソフト。15社ものパートナーが集い、注目の「Windows Embedded Compact 7」「Windows Embedded Automotive 7」関連の展示デモや、各種ソリューション、多数の採用事例が披露された。(編集部)
2010年12月1から3日までの3日間、パシフィコ横浜で開催された下半期最大級の組み込み関連イベント「組込み総合技術展 Embedded Technology 2010(以下、ET2010)」。
本稿では、「Windows Embedded」ブランドを全面に掲げたマイクロソフトのブースに注目し、その模様をお届けする。
「Windows Embedded Compact 7」関連の展示デモに注目
「Windows Embedded CE 6.0 R3」の後継として、2010年6月にCTP(Community Technology Preview)版が公開された「Windows Embedded Compact 7(以下、WEC7)」。Windows Embedded CE 6.0 R3から提供された「Silverlight for Windows Embedded」の強化や、マルチタッチのサポートのほか、最新ARMアーキテクチャ「ARMv7コア」対応、「Vector Floating Point(VFP)」「Symmetric Multiprocessing(SMP)」対応など多くの機能追加・強化がなされている。今年度中に正式リリースされる予定とのことで、その登場を待ち望んでいるエンジニアも多いのではないだろうか。
ET2010、Windows EmbeddedブースのパートナーパビリオンでもWEC7に対応した開発ボードの展示デモが多数披露されていた。
富士通ソフトウェアテクノロジーズは、「WEC7 RemoteApp」と題し、デジタルサイネージを意識したデモを実演。「Windows Embedded Server 2008 R2(以下、WES 2008 R2)」に保存されているPowerPointのファイルやAdobe Flashのコンテンツをネットワーク経由で、WEC7端末(Silverlight for Windows Embeddedで作ったアプリケーションを搭載)に表示させていた。
「WEC7、WES 2008 R2のほか、画面配信にはリモートアプリケーションのみをローカルの端末に表示(操作)できる『RemoteApp』と、すべてマイクロソフトのソリューションで実現している」と説明員。x86アーキテクチャを採用したハイエンドのデジタルサイネージではなく、「小売店の陳列棚などのスペースに設置するような低コストで小型のサイネージ端末で活用できるのではないか」(説明員)という。
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⇒ | 富士通ソフトウェアテクノロジーズ |
同じくWEC7に対応した開発ボードを展示デモしていたのが、ディジ インターナショナルと岡谷エレクトロニクスだ。
ディジ インターナショナルは、WEC7対応のシステムオンモジュール「ConnectCore Wi-i.MX51」とZigBeeモジュール「XBee」および「ドロップ・イン ネットワークソリューション」を使用したエネルギー監視、電灯/照明制御などのデモを披露。また、岡谷エレクトロニクスもWEC7の評価用プラットフォームとしてテキサス・インスツルメンツの「AM37x Evaluation Module」を紹介していた(デモ機は現行のWindows Embedded CE 6.0 R3が搭載されていた)。
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⇒ | ディジ インターナショナル |
⇒ | 岡谷エレクトロニクス |
一方、WEC7の開発を行うためのBSP(Board Support Package)に関する展示デモを行っていたのが、組み込みソフトウェアの設計・開発、試作などを手掛けるサムシングプレシャスだ。
サムシングプレシャスは、BSP「Lilas」のラインアップとして、アットマークテクノの「Armadillo-440 液晶モデル開発セット」用に開発したWEC7 BSP「Lilas-am440-7(CTP版)」と、「Armadillo-500」用のWindows Embedded CE 6.0 BSP「Lilas-am500-6」に関する展示を行っていた。
WEC7が動作するArmadillo-440には、学生向け組み込みアプリケーション開発コンテスト「Device2Cloud コンテスト 2011」で使用されているフリースケール・セミコンダクタ製の「JM Badge Board」が接続されており、3軸加速度センサ、照度センサ、タッチセンサの出力を端末に表示させるデモを実演していた。
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⇒ | サムシングプレシャス |
WEC7のほかにも、2010年6月に提供が開始された「Windows Embedded Standard 7(以下、WES7)」の開発ボードも展示されていた。
東京エレクトロン デバイスは、インテル Atomプロセッサ「Z530」搭載CPUモジュールと、ザイリンクスのFPGA「Spartan-6」を搭載したキャリアボード、Mini Camera Link対応のFPGAメザニンカード(FMC)で構成される「アプリケーション・リファレンス・プラットフォーム for Image Processing」を展示していた。
「CPUとFPGAをPCI Expressで接続。最終製品に近い評価環境を提供できる製品で、あらかじめWES7の無償版が同梱されている。産業機器や医療機器などの画像処理を必要とする機器開発に活用できる」(説明員)。
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⇒ | 東京エレクトロン デバイス |
“次世代”車載情報端末向けOS「Windows Embedded Automotive 7」
Windows Embeddedブースのパートナーパビリオンでは、2010年10月に米国デトロイトで開催された自動車エレクトロニクス関連の展示会「SAE Convergence 2010」で提供開始が発表された車載情報端末向けOSの最新版「Windows Embedded Automotive 7(以下、WEA7)」に関する展示も見ることができた。
ルネサス エレクトロニクスは、「SH-4A」CPUコアを2つ搭載する高機能組み込み型カーナビおよび高級レンジ市販型カーナビ向けSoC「SH7776(SH-Navi3)」を用いたWEA7のグラフィックスデモを実演。WEA7から対応したマルチコア(SMP)の特性を生かし、3D Map(OpenGL ES1.1)、3D UI(OpenGL ES2.0)、2D UI(OpenVG 1.1)などの複数のグラフィックスコンテンツを滑らかに描画・表示させていた。
また、ルネサス エレクトロニクスはARM Cortex-A9デュアルコアを搭載した車載向けプロセッサ「EC-4350」を用いたWEA7 MTP(Media Transfer Protocol)プレーヤーのデモも行っていた。プレーヤーはSilverlight for Windows Embeddedアプリケーションで、「『Expression Blend』により、迅速にアプリケーションを開発することができた」(説明員)という。
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⇒ | ルネサス エレクトロニクス |
その横では、フリースケール・セミコンダクタ・ジャパンが「車載インフォテインメント・ソリューション」をテーマに、WEA7を搭載した開発ボード(i.MX53)を用い、音楽再生、Bluetooth接続による携帯電話連携、Silverlight for Windows EmbeddedアプリケーションによるリッチなUIなど、WEA7から強化・追加された機能に関するデモを行っていた。
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⇒ | フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン |
さらに、2010年10月に発表された富士通セミコンダクターのデジタルダッシュボード/カーナビ向け画像処理LSI「MB86R11」搭載の開発ボードを富士通ソフトウェアテクノロジーズが展示していた。同製品は、ARM Cortex-A9に、4つのビデオ入力、最大3つのディスプレイ出力、車載LSIで必要とされるさまざまな周辺インターフェイスを集約した1チップシステムLSI。WEA7、WEC7をサポート予定だという。
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⇒ | 富士通ソフトウェアテクノロジーズ |
「Microsoft Auto 4.1」および「Windows Automotive 5.5」をベースに発展を遂げたWEA7。新たにSilverlight for Windows Embeddedや音声認識技術「Tellme」などを搭載したほか、タッチ入力、音声コマンド、Bluetooth通話などさまざまな機能追加・強化がなされている。WEA7搭載カーナビの登場がいまから楽しみだ。
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