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パートナー15社が集結、Windows Embedded百花繚乱ET2010 Windows Embeddedレポート(2/2 ページ)

「Windows Embedded」ブランドを前面に掲げ、「組込み総合技術展 Embedded Technology 2010」に出展したマイクロソフト。15社ものパートナーが集い、注目の「Windows Embedded Compact 7」「Windows Embedded Automotive 7」関連の展示デモや、各種ソリューション、多数の採用事例が披露された。(編集部)

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ロボットと連携したパーソナルヘルスチェックシステム

 パートナーパビリオンの中でひときわ注目を集めていたのが、Windows Embeddedの採用事例として、コンティニュア・ヘルス・アライアンス準拠のセンサ(血圧計)と、NECのコミュニケーションロボット「PapeRo」を用いたパーソナルヘルスチェックシステムを披露していた菱洋エレクトロだ。

 同パーソナルヘルスチェックシステムの大まかな流れは次のとおり。測定前に「Windows XP Pro for Embedded Systems」搭載の管理PC(エプソンのJE150シリーズ)に接続されたNFC(Near Field Communication)リーダに個人認証カードをかざし、計測スタート。血圧計はコンティニュア・ヘルス・アライアンスに準拠しており、Bluetooth接続で測定結果などの情報を管理PCとやりとりしている。血圧計から送信された測定結果を受け取った管理PCは、その情報をクラウドに送る。PapeRoがその情報を取りにいき、音声で診断結果や生活上のアドバイスなどを行う。


画像13 パーソナルヘルスチェックシステムのデモ
画像13 パーソナルヘルスチェックシステムのデモ

 「血圧計、体重計、歩数計などで取得した情報をBluetoothで簡単に転送でき、さらにその情報をデータセンター(クラウド)で管理することで、いつでもどこでもデータの蓄積と確認が可能になる」(説明員)。

 メーカーごとに独自仕様で開発されてきた従来の健康管理機器では、通信規格やフォーマットに互換性がないため、取得したヘルスケアデータを活用し切れていなかった。しかし、コンティニュア・ヘルス・アライアンスの認証機器であれば異なるメーカーの機器同士でも接続が可能となり、クラウドと連携させることでヘルスケアデータの活用の幅が大きく広がる。今後は普及とともに、その先の“サービス”をいかに作り上げるかが重要となってくるだろう。


 同じく、コアは「.NET Micro Framework × T-Kernel」連携のヘルスケアソリューションについてデモを行っていた。血圧計や体重計などの健康管理機器で測定したデータを、T-Kernel上に.NET Micro Frameworkをポーティングした情報端末で受信/グラフ表示を行うほか、端末とクラウド上のサーバ間での連携を実現している。健康管理機器(デモではPCを利用)と情報端末間は、コイン型電池で長寿命を確保できる近距離無線技術「ANT」で通信が行われていた。

画像14 コアのヘルスケアソリューションに関するデモ
画像14 コアのヘルスケアソリューションに関するデモ
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コア

Windowsにリアルタイム性能を!

 Windows Embeddedパートナーパビリオンに出展したユニダックスは、特定用途の組み込み機器向けWindows 7である「Windows 7 for Embedded Systems」を搭載したインタフェースの組み込みコンピュータ(インテル Core i7)と、リアルタイム性を付加するマイクロネットのリアルタイム・マルチタスクOS「INtime」を組み合わせたシステムを展示。INtimeによるアナログ計測のデモを実演していた。

画像15 INtimeによるアナログ計測のデモ
画像15 INtimeによるアナログ計測のデモ

 INtimeは、近年広く使われているPCベースの産業用制御機器などにリアルタイム性と信頼性を提供するもので、PC向けのWindowsや組み込み向けのWindows Embedded Standardを搭載したシステムと並列動作(共存)する第2のOSのようなもの。

 例えば、リアルタイム性能が求められる機構部の制御などをINtimeで、タッチ操作やリッチなUIなどの表示系の処理をWindows OSで、といったように双方の得意なところを生かし、かつPCベースのパワフルな環境でシステムを構築できるため、「システム全体の性能を向上させることができる」(説明員)という。


 同じく、Windows Embedded OSにリアルタイム性能を拡張する米インターバルゼロのソフトウェア「RTX」を活用し、Windows単体では実現できなかったリアルタイムアプリケーションの開発ソリューションを紹介していたのが、東京エレクトロン デバイスだ。ブースでは、RTXとプライムモーションの「MOS Bench」を組み合わせたWindows環境を用いリアルタイムにモータを制御するデモを行っていた。

画像16 RTXとプライムモーションの「MOS Bench」を組み合わせたWindows環境を用いリアルタイムにモータを制御
画像16 RTXとプライムモーションの「MOS Bench」を組み合わせたWindows環境を用いリアルタイムにモータを制御
関連リンク:
東京エレクトロン デバイス

組み込みならではのセキュリティ対策

 近年、USBポートを備える組み込み機器が増えているが、こうした機器におけるセキュリティ対策に関する展示デモも行われていた。

 Windows Embeddedブースで紹介されていたのはマカフィのホワイトリスト型マルウェア対策ソフト「McAfee Embedded Security」だ。同製品は、Windows Embeddedをサポートし、POS端末、ATM、複合機、医療機器といった幅広いジャンルでの標準搭載、インストレーションの実績がある。パートナーパビリオンでは、ユニダックスのほか、菱洋エレクトロも同製品の展示デモを行っていた。

 同製品は、“ダイナミック・ホワイトリスティング”という手法を採用している。導入時にシステムをフルスキャンし、ヘッダや拡張子から実行コードを判別し、ホワイトリストを自動作成。手作業による登録が不要で、かつPCのセキュリティ対策ソフトのように、定義ファイルやソフトウェアの更新などは不要であるため、組み込み機器での使用に適しているそうだ。「あらかじめ許可されたコードしか実行できないので、仮にウイルスに感染したUSBメモリなどを指しても実行されず、きちんと阻止できる」(説明員)。

 ユニダックスのデモでは、1台のWindows 7 PC上に2つの仮想OSを動作させた環境が用いられ、それぞれのOS(うち1つにはMcAfee Embedded Securityが導入されている)に対し、ウイルスの入ったUSBメモリを接続し、その違いを実演していた。

画像17 ユニダックスのデモ。(左)ウイルスに感染し画面が乗っ取られた。(右)McAfee Embedded Securityを導入したOS側では、実行を阻止したメッセージが表示された
画像17 ユニダックスのデモ。(左)ウイルスに感染し画面が乗っ取られた。(右)McAfee Embedded Securityを導入したOS側では、実行を阻止したメッセージが表示された
画像18 菱洋エレクトロのデモ
画像18 菱洋エレクトロのデモ

番外:写真で見る開発ボード、採用事例

 ほかにも注目のインテル Atomプロセッサ「E6xx」シリーズ対応の開発ボードやデジタルサイネージ、産業分野向け機器、業務用端末など多数の展示デモ/採用事例が披露されていた。その一部を写真で紹介する。

画像19 インテル Atomプロセッサ「E6xx」搭載開発ボード+Windows XP for Embeddedのデモ(長野日本無線)
画像19 インテル Atomプロセッサ「E6xx」搭載開発ボード+Windows XP for Embeddedのデモ(長野日本無線)

画像20 デジタルサイネージ向けコントローラ「iS1000」シリーズ(リコー)
画像20 デジタルサイネージ向けコントローラ「iS1000」シリーズ(リコー)

画像21 Windows Embedded CE 6.0搭載「CAR NAVITIME」(ユニダックス)
画像21 Windows Embedded CE 6.0搭載「CAR NAVITIME」(ユニダックス)

画像22 Windows Embedded CE 6.0 R3搭載「業務用モバイル端末『BizPad』」(菱洋エレクトロ)
画像22 Windows Embedded CE 6.0 R3搭載「業務用モバイル端末『BizPad』」(菱洋エレクトロ)

画像23 採用展示コーナー:組み込みPCコントローラ(Beckhoff)
画像23 採用展示コーナー:組み込みPCコントローラ(Beckhoff)

画像24 採用展示コーナー:ソフトウェアPLC「WinAC RTX F」(シーメンス・ジャパン)
画像24 採用展示コーナー:ソフトウェアPLC「WinAC RTX F」(シーメンス・ジャパン)

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