長さや形状、支点を変えて、四節リンクを自在変化!:メカメカリンクで設計しよう(3)(2/2 ページ)
クローズドループ構造の四節リンクは、リンクの長さ、形状、支点位置を変えることで、さまざまな動作が作れる。
【No.09】直角レイアウトで駆動リンクと従動リンクに比べて中間リンクが長い場合
No.08のリンク機構において、中間リンクのみ全長を長くした場合を考えてみましょう。図4のアニメーションから、下記のことが分かります。
- 駆動リンクを時計回転(CW)させると、最初は駆動リンクの動作角度αに対して従動リンクの動作角度βが小さい関係で動作する。
- その後、駆動リンクの動作角度α=90°のときに従動リンクの動作角度β=90°になる。
- 上記の位置で中間リンクと従動リンクが一直線上に並ぶことで全てのリンクが拘束され、駆動リンクは最大回転位置となる。
- 駆動リンクを反時計回転(CCW)させると、常に駆動リンクの動作角度αが従動リンクの動作角度βより大きく動作する。
- その後、中間リンクと従動リンクが一直線上に並んだとき、全てのリンクが拘束され、駆動リンクが最大回転位置となる。
- 駆動リンクを反時計回転させた場合、時計回転させた場合の動作角度より小さい角度で最大回転角を迎える。
つまり、No.08と全く同じ動作特性を示すことが分かりました。これは、中間リンクの全長を短くしても同じ動作特性を示します。スペースにあわせて中間リンクの長さを調整すれば、No.08と同じ動作特性を得られることが分かります。
【No.10】直角レイアウトで駆動リンクのみが長い場合
次にNo.08のリンク機構において、駆動リンクのみ全長を長くした場合を考えてみましょう。図5のアニメーションから、下記のことが分かります。
- 駆動リンクを時計回転(CW)させると、最初は駆動リンクの動作角度αに対して従動リンクの動作角度βが小さい関係で動作し始めるが、途中で動作角度α=βとなるポイントがあり、それを過ぎると動作角度βの方が大きくなる。
↑↑ココが、No.08、No.09、No.11の直角レイアウトのリンクと特徴が異なるポイント
- その後、中間リンクと従動リンクが一直線上に並んだとき、全てのリンクが拘束され、駆動リンクが最大回転位置となる。
- 駆動リンクを反時計回転(CCW)させると、最初は駆動リンクの動作角度αに対して従動リンクの動作角度βが小さい関係で動作し始めるが、途中で動作角度α=βとなるポイントがあり、それを過ぎると動作角度βの方が大きくなる。
↑↑ココが、No.08、No.09、No.11の直角レイアウトのリンクと特徴が異なるポイント
- その後、中間リンクと従動リンクが一直線上に並んだとき、全てのリンクが拘束され、駆動リンクが最大回転位置となる。
- 駆動リンクを反時計回転させた場合、時計回転させた場合の動作角度より小さい角度で最大回転角を迎える。
【No.11】直角レイアウトで駆動リンクのみが短い場合
次にNo.08のリンク機構において、駆動リンクのみ全長を短くした場合を考えてみましょう。図6のアニメーションから、下記のことが分かります。
- 駆動リンクを時計回転(CW)させると、常に駆動リンクの動作角度αが従動リンクの動作角度βより大きく動作する。
- その後、中間リンクと従動リンクが一直線上に並んだとき、全てのリンクが拘束され、駆動リンクが最大回転位置となる。
- 駆動リンクを反時計回転(CCW)させると、常に駆動リンクの動作角度αが従動リンクの動作角度βより大きく動作する。
- その後、中間リンクと従動リンクが一直線上に並んだとき、全てのリンクが拘束され、駆動リンクが最大回転位置となる。
今回のまとめ
No.8〜11の事例では、駆動リンクと従動リンクが直角になるレイアウトを示しました。直角にレイアウトした理由はリンク機構を考えやすいためです。従って、必ず直角にレイアウトする必要はなく、要求されるリンクの動作やスペース上の制約条件に応じて自由な構造を選択してください。
四節リンクを設計する際のポイントとして、リンクが拘束される位置までの範囲で設計してはいけないということです。全てのリンクが拘束される位置で力を受けると、支点部やリンク結合部などに負荷が掛かり破断の可能性があるからです。必ず、拘束される位置の手前でメカニカルなストッパを設けるか、センサーなどで停止させるようにしてください。
次回は、その他のリンクレイアウトについて、動作特性や特徴を確認してみましょう。(次回に続く)
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