エナックスがリチウム電池の安全性評価拠点を開設:研究開発の最前線
Daigasグループのエナックスは、山形県米沢市にリチウムイオン電池の安全性評価拠点「NECOLABO」を開設した。
Daigasグループのエナックスは2026年10月30日、山形県米沢市にリチウムイオン電池の安全性評価拠点「New Energy Collaboration Laboratory(以下、NECOLABO(ネコラボ))」を開設し、同月2日に竣工式を開催したと発表した。
実際に電池の設計/開発に携わる技術者が評価を担当
リチウムイオン電池は、電気自動車や再生可能エネルギー向け蓄電池に加え、ロボットやドローンなど新たな分野での活用も広がり、その需要はより一層高まっている。しかし、同電池は、社会インフラを支える重要な存在である一方で、発火や熱暴走といったリスクへの対応も必要となる。
同電池を安全に活用するには、完成した製品を確認するだけでなく、開発段階からさまざまな状況を想定して性能や安全性を確かめ、設計に反映しなければならない。加えて、市場に出た後に不具合が生じた場合には、その原因を詳しく調べることも重要だ。こうした安全性評価へのニーズの高まりを背景に、エナックスはNECOLABOを開設した。
NECOLABOでは、安全性や耐久性の評価、不具合解析、規格/認証に向けた試験など、リチウムイオン電池の開発に必要な一連の評価工程を集約し、ワンストップで提供する。セル単体に加えて、複数のセルを組み合わせた電池パック全体を対象とした総合評価にも対応する。
それを可能にしているのが、エナックスが長年にわたり培ってきた電池開発の知見だという。エナックスは1996年の創業以来、約30年にわたりリチウムイオン電池の開発に取り組み、セルや電池パックの構造、製造工程に関する技術を蓄積してきた。
今回の拠点では、こうした技術や知見を備えているとともに、実際に電池の設計/開発に携わる技術者が評価を担当する。例えば、不具合解析では、製品の分解調査や、発生した事象を再現する試験などを通じて原因を明らかにし、その結果を基に改善策を提案。安全性評価でも、発火や衝撃などを想定した試験を行い、試験後の分析を通じて設計上の課題を洗い出す。
サンプルの評価から分析、開発へのフィードバックまでを一貫して行えることが、NECOLABOの最大の特徴だ。評価結果を示すだけでなく、電池を「つくる側」の視点を生かし、顧客のより安全な製品開発につなげる。
なお、Daigasグループは、今後さらなる普及が見込まれる蓄電池分野で、技術開発や事業の拡大に取り組んでいる。蓄電池の受託研究開発における対応領域を広げるため、グループ内の体制強化も進めてきた。その一環として、大阪ガスの100%子会社であるKRIは2025年12月、エナックスを完全子会社化した。
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