日本板硝子の貫通穴付きガラス基板が備えた2つの強み:CEATEC 2026
日本板硝子は「CEATEC 2026」で、2つの強みを有している「貫通穴付きガラス基板(TGV)」を披露した。
日本板硝子は、「CEATEC 2026」(会期:2026年10月13〜16日、会場:幕張メッセ)で、「貫通穴付きガラス基板(Through Glass Via、TGV)」と「防曇コーティング」を披露した。
省電力電子回路や高周波回路に対応したガラス組成を採用
同社のTGVは、5Gや6Gによる通信拡大を見据え、独自の加工方法に合わせて組成を開発した無アルカリ低誘電性ガラスを採用することで、優れた貫通穴(VIA)加工性と低誘電特性を実現した開発品となっている。
具体的には、省電力電子回路や高周波回路に対応したガラス組成が採用されている他、独自の加工方法が活用されているため、VIAのデザイン性に優れる。
同社のTGVにおける代表的なガラス物性に関して、ガラス種は無アルカリガラスで、熱膨張係数(CTE:0〜300℃)は3.2ppm、ヤング率は76GPa、誘電率(DK)は5.2F/m(1GHz、10GHz)、誘電正接(Df)は0.002tan(1GHz)と0.003tan(10GHz)となっている。
他社のTGVとの違いに関して、「2つある。1つ目は『クラックの起点がないこと』だ。当社のTGVはVIAの表面が鏡のように極めて滑らかに仕上がっている。通常のTGVは、力が加わった際に、VIAの微小な傷(クラックの起点)から亀裂が走って割れてしまうが、当社のTGVは起点が存在しないため、割れにくい。独自の加工技術に加えて、レーザーやエッチングに適した『TGV専用ガラス』を組成から設計/開発したことが、起点のない滑らかなVIAの形成につながっている」と同社の説明員は述べた。
続けて、「2つ目は『誘電率や誘電正接が低いこと』だ。基板の誘電率や誘電正接が高いと、熱損失やエネルギーロスの原因となる」と補足した。
用途としては、省電力性に優れた効率的な各種電子回路基板や微小電気機械システム(MEMS)基板としての利用を想定している。「シリコン基板の代替品になると見込んでいる」(同社の説明員)。
一方、同社の防曇コーティングは、視認性の向上と正確な画像データの読み取りに貢献する光学機器向けの開発品だ。同開発品は、ガラスや樹脂基板に対して高い密着性を備えている他、高い耐久性と透明性を実現している。
同社の説明員は「防曇コーティングは液体の開発品だ。これを対象の樹脂やガラスの表面に塗布した後、熱処理やプラズマ処理を施すことで、対象製品の表面にガラス膜を創出できる。車載カメラや監視カメラなど、水滴が付くと安全性に影響が出る製品に向けて販売することを目指し、メーカーと共同で研究を進めている」と話す。同社では、カメラやセンサーの使用環境に応じて、親水タイプや吸水タイプなどを提案できるように、さまざまなタイプをラインアップする考えだ。
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