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次世代電池の材料探索に量子コンピューティングを活用、シャープとQunaSys:マテリアルズインフォマティクス

QunaSysとシャープは、次世代電池材料の探索に量子コンピューティングを活用する共同研究を発表した。

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 量子コンピュータ向けソフトウェアやアルゴリズムの開発を手掛けるQunaSysは2026年10月29日、シャープと、次世代電池材料の探索に量子コンピューティングを活用するための共同研究を進めていると発表した。

 同研究は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「NEDO懸賞金活用型プログラム/量子コンピュータを用いた社会問題ソリューション開発」において、「電池材料の探索における量子計算の活用」をテーマに採択された取り組み。2025年度は、量子計算を材料開発へ適用するための具体的な検討を進めた。

電池材料の候補は膨大、有望な材料の絞り込みは多くの時間とコスト

 シャープでは、脱炭素社会やサーキュラーエコノミーの実現に向け、次世代電池の材料開発に取り組んでいる。

 一方、電池材料の候補は膨大で、実験のみで有望な材料を絞り込むには多くの時間とコストが必要だ。化学計算を活用した材料探索は有力な手段であるものの、計算コストの制約から、十分な精度や規模で扱うことが難しいという課題も残されている。

 こうした背景から同社は、将来は従来のコンピュータでは現実的に扱うことが難しかった計算や、より高精度な物性予測への活用が期待される量子コンピューティングに着目した。そこで、量子アルゴリズムに強みを持つQunaSysと連携し、材料開発への応用可能性を検討してきた。

小規模な分子モデルを用いて量子計算の適用可能性を検証

 今回の共同研究では、シャープが有している電池材料やデバイス開発の知見と、QunaSysが持つ量子アルゴリズムや量子化学計算の知見を組み合わせている。

 シャープが持つ「材料開発において何を、どの程度の精度で予測できれば価値につながるか」という視点に対し、QunaSysは、それらを量子計算で扱うための問題設定やアルゴリズム設計などを支援した。量子計算だけでなく、従来の化学計算を含めた計算モデルの構築、条件設定、結果の解釈についても検討を進めている。

 2025年度は、小規模な分子モデルを用いて量子計算の適用可能性を検証した。この研究を通じ、計算結果を得るほか、その数値が材料開発の観点から妥当であるかを評価するための知見も蓄積している。

 今後の重要なテーマの1つが、計算対象となる材料モデルのスケール拡大だ。より実用的な物性予測へつなげるため、材料全体から計算上重要な部分をどのように抽出するか、問題をどのように分割するか、古典計算と量子計算をどのように組み合わせるかといった技術課題について、さらなる検討を進めていく。

AIやシミュレーションなどの技術を組み合わせた研究開発に期待

 シャープが将来目指すのは、資源制約が小さく、安全性や耐久性にも優れた次世代電池材料の実現を通じ、脱炭素社会とサーキュラーエコノミーに貢献することだ。

 今後は、既知材料を対象とした計算値と実験値の比較から予測精度を検証し、扱える材料規模や候補数を拡大する。将来は、古典計算だけでは評価が難しい材料についても量子計算と古典計算を組み合わせて有望な候補を絞り込み、その予測結果を実際の合成や評価へフィードバックする材料開発プロセスへの展開を見据えている。

 また、将来は「求める物性を入力すると、それを実現し得る新規材料の候補が提示される」ような材料開発の姿も視野に、量子コンピューティングだけでなく、AI(人工知能)やシミュレーションなどの技術を組み合わせた研究開発が期待されている。

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