積層造形、切削、研削まで1台で完結 マザックが新たにAM複合加工機:工作機械
ヤマザキマザックは、積層、切削、研削の加工を1台で完結するハイブリッド複合加工機「INTEGREX i-450S NEO AM」を開発した。2026年10月26日に販売を開始する。
ヤマザキマザック(以下、マザック)は2026年10月23日、積層、切削、研削を1台で完結するハイブリッド複合加工機「INTEGREX i-450S NEO AM」を開発したと発表した。同年10月26日に販売を開始する。販売価格は2億1680万円(税別)からで、年間2台の販売を目標としている。「JIMTOF2026」(同年10月26〜31日、東京ビッグサイト)では実機によるデモを披露する。
めっき処理や焼き入れの代替に対応
マザックは2014年に金属積層造形(Additive Manufacturing:AM)技術を採用したハイブリッド複合加工機を発表して以来、AM加工の技術や知見を培ってきた。今回開発したINTEGREX i-450S NEO AMは、AM技術と高精度な切削加工を融合した製品である。積層から切削、研削までの加工をワンチャッキングで完結し、工程集約による生産性の向上と高付加価値部品の生産に貢献するという。
INTEGREX i-450S NEO AMで採用するパウダーレーザー式金属積層造形技術(パウダーベッド方式、PBF)は、金属粉末をレーザーで瞬時に溶融および凝固させる造形方式だ。レーザーで局所的に加熱するため、熱の母材への影響や変形が小さい。均一で高品質な被膜形成によって、コストの低減と環境負荷の低減を実現するとしている。
パウダーレーザー式金属積層造形技術のアプリケーション例として、マザックはクロムめっき処理や焼き入れの代替を挙げている。クロムめっき処理で使用される六価クロムは人体や環境へのリスクから世界的に規制が進んでおり、代替手法が求められている。AMによるコーティングでは六価クロムを使用せずに耐食性や耐摩耗性を付加できる。必要な箇所のみにコーティングを施すことが可能なため、材料使用量の削減にもつながるという。
焼き入れの代替については、AMを活用して高硬度材を積層することで、焼き入れと同等レベルの表面硬度を実現する。焼き入れに必要とされる高度な技術を持つ熟練技能者の減少や、外注によるリードタイムの長期化といった課題の解決に寄与するとしている。
5軸金属積層造形に適したAMヘッドを搭載
INTEGREX i-450S NEO AMは、ガントリー方式の独立AMヘッドを搭載している。独立AMヘッドにより配線や配管による動作の制限、ワークとの干渉を低減し、広い加工範囲を確保した。AMヘッドの旋回機能はB2軸の角度範囲が0〜150度となっており、複雑な形状の5軸金属積層造形に対応する。
また、新たに「マルチジェットノズル」を搭載した。マルチジェットノズルはノズル先端4カ所から金属粉末を供給する仕組みである。AMヘッドを傾斜させた場合でも金属粉末の偏りを抑え、均一な積層造形を実現するという。
研削加工機能による工程集約
INTEGREX i-450S NEO AMは、AMによる積層に加えて研削加工機能を備えている。対話式でのプログラミングや砥石の接触検知機能を備えた「研削パッケージ」により、砥石の破損や研削焼けを防止する。
金属積層造形によるコーティングから切削、研削までの一貫した工程集約により、外注工程や搬送工程を削減する。工程の削減を通じて、ヤマザキマザックは生産性の向上と品質の安定化に貢献するとしている。
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