マザック、加工の工程設計をAIエージェントで自動化 ABEJAと共同開発:工作機械(1/2 ページ)
ヤマザキマザックとABEJAは、製造現場におけるフィジカルAIの実装に向けた共同開発を開始することを発表した。2028年度の製品化を目指す。
ヤマザキマザックとABEJAは2026年10月16日、名古屋市内およびオンラインで記者会見を開き、製造現場におけるフィジカルAI(人工知能)の実装に向けた共同開発を開始することを発表した。
熟練者の「暗黙知」をAIへ、ABEJAと役割分担で開発加速
製造業では少子高齢化を背景とした人手不足や熟練者の引退に伴う技能伝承への対応が急務になっている。その中で、工作機械を使った加工では、加工前に行う工具選定や加工順序、切削条件などの工程設計が熟練者の経験や暗黙知に依存しており、属人化が課題となっている。また、急な案件や突発的な設備停止、材料欠品といった不測の事態による生産スケジュールの調整に関しても、ベテランの判断が頼りになっている。
今回は、ABEJAが提供するAI活用基盤であるABEJA Platformを共通基盤として、加工工程と生産スケジュールの最適化を支援するAIエージェントの開発およびロボット行動学習環境の構築を進める。AIエージェントに関しては2028年度の市場投入を目指す。
ABEJA Platformは、データの収集や学習、推論、再学習といった、AI運用に必要な共通機能を基盤上に集約しており、特定のAIモデルやハードウェアに固定されず、要件に合わせて柔軟に選択することができる。実行環境も、クラウドやオンプレミス、エッジなど幅広く対応可能だ。
ヤマザキマザック 代表取締役社長の山崎高嗣氏は「ABEJAは大変強固なプラットフォームを持っている。役割分担をすることで、われわれは得意とする分野の開発に専念し、開発スピードを速める。また、今回はユーザー側でAIエージェントを育てられることが大きなポイントになっている。ユーザーの大切なデータやノウハウを守るために、高いセキュリティ性能も必要だった」と語る。
ABEJA 代表取締役 CEOの岡田陽介氏は「日本は製造や物流の現場で世界最高水準のオペレーション品質を持ちながら、その大半がデータとして残っていない。それをデータとして利用可能にするためのインフラを構築することがわれわれの得意領域となっている。マザックは業界のリーディングカンパニーであり、ITに関しても先駆的な取り組みをしており、フィジカルAIやLLM(大規模原言語モデル)とも相性がとてもいい」と語る。
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