ヒューマノイドがより繊細に、バックラッシゼロの同軸ローラーカム式精密減速機:FAニュース
テクノダイナミックスは、新たに開発した同軸ローラーカム式精密減速機「アーマードライブ(ARMOURDRIVE) XRシリーズ」の標準モデルを、2027年4月1日に受注を開始すると発表した。「JIMTOF2026」に出展し、2030年度に年間1万台の出荷を目指す。
テクノダイナミックスは2026年10月15日、東京都内で記者会見を開き、新たに開発した同軸ローラーカム式精密減速機「アーマードライブ XRシリーズ」の標準モデルの受注を、2027年4月1日に開始すると発表した。「JIMTOF2026」(同年10月26〜31日、東京ビッグサイト)に出展し、2030年度に年間1万台の出荷を目指す。
工作機械の精度をロボット関節に、ガタつきが0な理由とは
同社はカム式減速機の製造、販売を手掛けている。減速機は、高速に回転するモーターの回転速度を落とし、トルクを強め、慣性モーメントを下げる役割を持つ。その中で、産業用途に使われる精密減速機は、大きく2種類に分かれる。入力(モーター)軸と出力軸が一直線上に配置され、軽量で主にロボットに使われる歯車系(同軸)と、入力軸と出力軸が直交し、高い精度と剛性を持つため工作機械の高速位置決めに使われるカム系(直交軸)の2種類だ。
テクノダイナミックスが開発した同軸ローラーカム式精密減速機は、入力軸と出力軸が同軸に配置される構造となっている。
一定の傾きを持った軸が自転しながら公転する歳差運動を利用した独自の同軸ローラーカム機構によって、全ローラーが常時接触することで、同軸構造でありながらバックラッシ(歯車の歯同士のガタつき)がなく、高い剛性と精度を実現した。また、技術的には約8分の1〜約200分の1という幅広い減速比を1段で可能だという。
これによって期待されるのが、ヒューマノイドなどのロボットにおける高精度な動きだ。従来のロボットに使われていた歯車系減速機は、ロボットの軸ごとに生まれるバックラッシが積み重なり、先端部分で微妙な誤差が生じていた。今後、フィジカルAI(人工知能)の進化で細やかな動作データを生成できても、実際の動作として完全に再現できない可能性があった。そこで、バックラッシのない同軸ローラーカム式精密減速機を用いることで、繊細な動きを忠実に再現できるようになるという。
同軸ローラーカム式精密減速機は、入力カム、入力固定ローラー、出力回転ローラーの3要素で構成されるシンプルな構造で、部品点数が少なく軽量かつコンパクトになっている。そのため、多関節ロボットの可動部などに適している。
なお、アーマードライブ XRシリーズの標準モデルは3機種で構成される。同社では今後、工作機械用高剛性モデル、ロボット用軽量モデル、DDモータ用薄型低減速モデルを展開する予定だ。
| 標準モデル仕様 | XR 90 | XR 120 | XR 170 |
|---|---|---|---|
| 取り付けインロー外径 | 90mm | 120mm | 170mm |
| 標準減速比 | i=40/66/144 | i=56/91/196 | i=56/91/196 |
| 定格トルク | 84N・m | 177N・m | 437N・m |
| バックラッシ | 0 | 0 | 0 |
| 本体重量 | 3.1kg | 6.9kg | 17.6kg |
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