ヒューマノイド40台でフィジカルAIを育てる巨大拠点が稼働、その内部とは:協働ロボット(1/3 ページ)
INSOL-HIGHらが運営するコンソーシアム「J-HRTI」は、習志野市内にヒューマノイドロボットの実用化拠点「関東データファクトリー」を開設、稼働を開始した。ヒューマノイドロボット最大40台を配備し、オペレーターが操作してフィジカルAIの学習データを参画企業で共同収集する。
INSOL-HIGHは2026年8月26日、千葉県習志野市内にヒューマノイドロボットの社会実装を推進するコンソーシアム「J-HRTI(Japan Humanoid Robot Training & Implementation:ジェイハーティ)」の第1号拠点として、「J-HRTI 関東データファクトリー」を開設し、本格稼働を開始した。同施設は、ロボットが現場で稼働するために必要なフィジカルAI(人工知能)の学習データを蓄積するための専用拠点となる。同社によると、国内の民間企業団体が運営する同種の施設としては日本初になるという。
移す/すくう/つかむ……最大40台のヒューマノイドが実データ収集
J-HRTI 関東データファクトリーは、約1400m2の施設内に最大40台(稼働開始時は35台)のヒューマノイドロボットを配備し、専門のオペレーターが常駐してデータの収集を行う。
施設は役割に応じて3つのエリアで構成している。模倣学習の元となるデータを蓄積する「ロボットエリア」、収集した元データをAIが理解できる学習用データへと変換する「アノテーションエリア」、実環境での検証と調整を反復して現場で使える精度へと仕上げる「テストエリア」だ。データの生成から実環境での検証までを一気通貫で実施できる環境を整えた。
内覧会では、中国 AgiBotのヒューマノイドロボット「G1」「G2」を用いたデータ収集の様子が公開された。VRゴーグルを装着したオペレーターが、身体の動きとコントローラーの操作でロボットと動きを同期させ、対象の動作をシステムに学習させていく。実際の作業エリアでは、コンテナへぬいぐるみを移し替える作業の他、シャベルを使って粒状の樹脂をすくう動作や、両腕で同時に別々の箱からモノを取り出して仕分ける作業など、実務を想定した多様なデータ収集を繰り返していた。
INSOL-HIGH 代表取締役の磯部宗克氏は、「常駐のオペレーターの方には、基本的には土日祝日を除いて稼働してもらい、データ収集を行っている。作業の難易度によって必要な学習データが異なるため、まずはこれらの動作から収集を始めているが、状況に応じて対象作業を変えていくことも想定している」と語る。
ロボットの頭部と左右の腕に設置した計3台のカメラで作業の様子を録画しており、アノテーターと呼ばれる作業者が映像を確認しながら動画を分割し、それぞれの動作にテキスト情報をひも付けていく。この際、作業中に意図的に物を落としたり、失敗したりした映像にもタグ付けを行いAIに学習させる。現場で起こり得る失敗パターンをあらかじめAIに理解させることで、実運用時にロボットが同じミスを繰り返すのを防ぐ狙いがあるという。
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