検索
特集

年10億円生むパナソニック物流改革、「首都圏再編」の全貌を仕掛け人に聞く:パナソニック 国内物流革新の最前線(後編)(3/3 ページ)

単なる拠点の集約にとどまらない、パナソニックグループの国内物流革新。後編では、事業部ごとの「サイロ化」を打破して年間10億円以上の合理化を生み出した戦略の裏側に迫る。次なる再編の舞台「首都圏プロジェクト」の全貌と、2年がかりの“異文化統合”をけん引したパナソニック オペレーショナルエクセレンス 執行役員の安藤健太郎氏への独自インタビューを交えて詳説する。

Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       

【インタビュー】2年がかりのパナソニック異文化統合 日本物流は“宝の山”

 今回の国内物流革新プロジェクトの仕掛け人として、一連の改革をけん引してきた安藤氏に話を聞いた。

今回の国内物流革新プロジェクトをけん引した安藤氏
今回の国内物流革新プロジェクトをけん引した安藤氏

MONOist 物流改革を推し進める原動力は、どのような経験から来ているのでしょうか。

安藤氏 私は1987年に松下電器貿易(1988年に当時の松下電器産業と対等合併)に入社して以来、オランダやイギリス、中国など、海外のサプライチェーン領域に長く携わってきました。欧州では1990年代後半ごろから自動倉庫やWMS(倉庫管理システム)といった最先端の仕組みが導入されていましたし、中国ではすさまじいスピードで自動化が進む様子を目の当たりにしてきました。

 しかし、2014年に帰国して初めて日本の国内物流を見た際、海外の進化のスピード感に対して大きなギャップを感じたのです。ただ同時に、その現場を見た私は「これは宝の山だ。国内物流はまだまだ変えられる余地がある」と強く感じました。

 その思いが出発点となり、国内の物流業務を標準化して、パナソニックの歴史上初めてにして最大規模となる、グループ統合物流インフラの構築を目指すプロジェクトへとつながっています。

MONOist 今回の関西第一拠点プロジェクトにおいて、最も苦労されたのはどのような点でしょうか。

安藤氏 新しい設備の導入といったハード面以上に一番大変だったのは、皆がワンチームになるためのプロセス、すなわち「異文化の統合」です。これまで物流を担当するメンバーは各BU(ビジネスユニット)に分散しており、考え方や文化、仕事の進め方がそれぞれ全く異なっていました。

 パナソニックグループとしてこれを1つのチームするために、顧客である全国の販売店をはじめ、各事業会社のマーケティング部門や営業担当者にも丁寧に説明して回りました。このベクトル合わせには、約2年の歳月を要しています。

 物流は決して止めてはならない事業インフラです。日々のオペレーションを維持したまま、並行して巨大な新拠点をトラブルなく立ち上げることは、極めて難易度の高いミッションでした。

 困難の連続ではありましたが、今振り返ると「楽しかった」と率直に感じます。各事業会社の方々がPEXの取り組みの意義を理解し、協調してくれたことは非常に大きな喜びであり、パナソニックの一員として真のワンチームになれたと実感しています。

拠点の入り口にはパナソニックグループのリーダーシッププリンシパルが掲げられている
拠点の入り口にはパナソニックグループのリーダーシッププリンシパルが掲げられている

MONOist 首都圏再編などを見据えた今後の展望をお聞かせください。

安藤氏 新しい拠点を立ち上げ、システムを入れたらそれで終わりではありません。稼働した現場でも日々の業務の中で気付きを共有し、毎朝ベクトルを合わせる改善活動を徹底して続けることが何より重要です。

 今回の関西における成功体験を生かし、次の首都圏エリアでも物流インフラを止めることなく再編を推し進めていきます。先ほども申し上げた通り、日本の物流網はまだまだ変えられる「宝の山」です。今回の成功体験を足掛かりとし、習慣や既成概念を変えていくという強い意志を持って、パナソニックの物流、そして日本の物流を進化させ続けていきたいと考えています。

⇒その他の「物流のスマート化」の記事はこちら

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

前のページへ |       
ページトップに戻る