導電率1200S/cmを実現、CNT分散液の“課題”を克服した新分散液:材料技術
カーボンナノチューブ(CNT)の優れた導電性を、凝集を防ぐための「分散剤」が阻害してしまう――。そんな従来の課題を解消した製品が発売された。それは日本材料技研の高導電カーボンナノチューブ(CNT)/溶剤可溶型導電性高分子ポリアニリン(PANI)分散液だ。
日本材料技研は2026年9月29日、高導電カーボンナノチューブ(CNT)/溶剤可溶型導電性高分子ポリアニリン(PANI)分散液を製品化し、販売を開始したと発表した。
同製品は、単層カーボンナノチューブ「SWCNT」と同社が取り扱う溶剤可溶型導電性高分子ポリアニリン(PANI)から成る有機溶剤系分散液だ。
成膜後にはSWCNT間をつなぐ導電パスとしても機能
一般的なCNT分散液では、CNTの凝集を抑え、安定した分散状態を得るために、非導電性の分散剤が添加される。しかし、塗膜中に残存した分散剤がCNT同士の接触を阻害し、塗膜の導電性を低下させる要因となる。
日本材料技研が開発した同製品は、導電性を有するPANIがCNTの分散剤として機能するとともに、成膜後にはSWCNT間をつなぐ導電パスとしても役立つ。これにより、良好な分散性を維持しながら、約1200S/cmという高い導電性を実現した。また、良好な粘度特性を有しており、スプレーコートによる成膜も可能だ。
同製品は、これらの特長を生かし、電磁波シールド、導電性インク、帯電防止材料、電極材料など、幅広い用途への展開が期待される。
また、同製品で確認されたPANIによるCNTの分散性および導電性の向上効果は、物性の異なる他のCNTにおいても確認されている。こうした特性から、PANIは各種CNT向けの導電性分散剤として幅広い活用が期待される。
同社は今後もCNTの種類や用途に応じたPANI/CNT分散液の処方検討を進め、製品グレードの拡充に取り組んでいく。
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