日系自動車メーカー生産の中国市場低迷が深刻化、2026年7月は前年同月から半減:自動車メーカー生産動向(3/3 ページ)
2026年7月の日系自動車メーカー8社の世界生産台数は、スズキ、ダイハツ工業、マツダを除く5社が前年割れとなったが、上記3社が2桁%増を記録したことで、8社合計は2カ月連続のプラスを維持した。中国市場の低迷が深刻化しており、EVが弱い日系各社にとってはマイナス要因となっているようだ。
ダイハツ工業
ダイハツの7月の世界生産は、前年同月比10.9%増の14万3062台と、2カ月連続で増加した。このうち国内生産は、同22.2%増の7万1683台と3カ月ぶりのプラス。前年7月が、部品の供給不足により軽自動車「タント」や小型SUV「ロッキー/ライズ(トヨタ)」などを生産する滋賀工場(滋賀県竜王町)と、「ムーヴ」「ムーヴキャンバス」「ミライース」「タフト」などの軽自動車を生産する大分第2工場(ダイハツ九州、大分県中津市)で稼働停止を実施したため、反動増となった。国内生産の内訳は、軽自動車が同10.8%増の4万3718台、登録車が同45.9%増の2万7965台だった。
海外生産は、前年同月比1.4%増の7万1379台と2カ月連続で前年実績を上回った。インドネシアは同3.8%増の3万4641台と4カ月連続のプラス。ただ、マレーシアは、同0.7%減の3万6738台と微減で、2カ月ぶりに減少した。
マツダ
8社の中で最も高い伸びを見せたのがマツダだ。7月の世界生産台数は、前年同月比21.3%増の10万5096台と6カ月連続で増加した。主力の国内生産が、同25.2%増の7万888台と6カ月連続で前年実績を上回った。新型に切り替えた主力モデルの「CX-5」が同14.7%増と2桁%増を記録した他、「マツダ3」も同16.5%増と伸長。さらに、前年が米国関税の影響で低迷していた「CX-90」が同3.6倍となるなど、ラージ商品群が反動増で回復した。その結果、輸出も同20.3%増の6万1629台と2カ月連続で増加した。
海外生産も好調で、前年同月比14.1%増の3万4208台と2カ月連続で増加した。特に好調なのが中国で、同57.9%増の9338台と9カ月連続のプラス。中国生産する日系4社では唯一の前年超えだった。SUVタイプの新型EV「EZ-60/CX-6e」の純増に加えて、CX-5が旧型ながら地方都市を中心に需要が根強く貢献した。米国も「CX-50」の販売が堅調で同9.5%増の9445台と増加。7月として過去最高を更新した。さらに、関税対策で長らく低迷していたメキシコも「マツダ2」や「CX-30」が増加し、同16.5%増の1万3055台と3カ月連続のプラス。その結果、北米トータルでは同13.4%増の2万2500台と3カ月連続で前年実績を上回った。唯一厳しかったのがタイで、日本向け「CX-3」の生産を2026年2月に終了したためで、同43.1%減の2370台と5カ月連続のマイナスだった。
三菱自動車
三菱自の7月の世界生産台数は、前年同月比10.1%減の7万600台と2カ月ぶりの前年割れとなった。このうち海外生産は、同9.6%減の3万4347台と2カ月ぶりのマイナス。インドネシアで新興国専用の新型SUV「デスティネーター」が好調だった他、マレーシアでは新興国専用の小型SUV「エクスフォース」の現地生産を開始したが、主力拠点のタイでの需要低迷による落ち込みが響いた。
国内生産も伸び悩み、前年同月比10.7%減の3万6253台と2カ月ぶりに減少した。8月の国内販売を見ると、日産向けにOEM(相手先ブランドによる生産)供給する「ルークス」は増加したものの、「デリカD:5」や日産向けOEM「デイズ」などが伸び悩んだ。輸出も同2.8%減の1万4309台と4カ月連続で減少した。
SUBARU
スバルの7月の世界生産台数は、前年同月比8.9%減の6万9864台と4カ月連続の前年割れだった。要因は主力拠点の国内生産で、同15.3%減の4万5432台と6カ月連続のマイナス。群馬製作所矢島工場(群馬県太田市)での改修工事は完了したが、改修したラインでは現在のところEVのみ生産している影響が出た。輸出は同3.9%増の4万802台と3カ月ぶりに前年実績を上回った。唯一の海外生産拠点である米国生産は、同6.1%増の2万4432台と3カ月ぶりに増加。「おおむね計画通り」(スバル)とする。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ≫連載「自動車メーカー生産動向」バックナンバー
絶好調のスズキなど4社が国内大手3社の不調をカバー、2026年上期日系自動車生産
2026年上期(1〜6月)の日系自動車メーカー8社の世界生産台数は、トヨタ自動車、ホンダ、日産自動車の国内大手3社が中国の競争激化に苦戦する一方で、過去最高を更新したスズキをはじめダイハツ工業、マツダ、三菱自動車が好調で、2年連続の前年同期比プラスを確保した。
日系自動車メーカーの世界生産は2カ月連続の前年比増、中東情勢の影響は
2026年4月の日系自動車メーカー8社の世界生産台数は、トヨタ自動車、スズキ、ダイハツ工業、マツダ、三菱自動車の5社が増加し、2カ月連続の前年超えとなった。今のところ中東情勢の緊迫化に伴う影響も、中東市場向けの輸出程度で、原材料の調達難などによる大きな影響は表れていないようだ。
トヨタの自動車生産が4カ月連続で前年割れ、今後は中東情勢悪化も悪材料に
2026年2月の日系自動車メーカーの世界生産台数は、トヨタ自動車、ホンダ、日産自動車、SUBARUの4社が減少し2カ月連続の前年割れとなった。中東情勢の悪化に伴い、中東向け車両の生産や輸出を停止する動きも広がりつつある。足元では原材料などの調達難による生産への影響は表面化していないが、予断を許さない状況はしばらく続きそうだ。
トヨタの自動車生産が4カ月連続で前年割れ、今後は中東情勢悪化も悪材料に
2026年2月の日系自動車メーカーの世界生産台数は、トヨタ自動車、ホンダ、日産自動車、SUBARUの4社が減少し2カ月連続の前年割れとなった。中東情勢の悪化に伴い、中東向け車両の生産や輸出を停止する動きも広がりつつある。足元では原材料などの調達難による生産への影響は表面化していないが、予断を許さない状況はしばらく続きそうだ。
スズキが5カ月連続で自動車生産2位、電動車戦略見直しのホンダを尻目に
2026年1月の日系自動車メーカーの世界生産台数は、トヨタ自動車、日産自動車、マツダの3社が減少し、2カ月ぶりの前年割れとなった。4割近くを占めるトヨタが減少した影響が大きく表れた。また、米国とイスラエルによるイランへの攻撃で中東情勢が緊迫しており、自動車産業の先行きを見通すことも非常に難しくなってきている。