目標は2030年度に売上高2500億円 シャープが日本国内向けにAIサーバの受注を開始:製造マネジメントニュース
シャープは、AI(人工知能)サーバ事業参入に伴う事業概要を説明した。同社は2027年度の販売開始に向け、日本国内の企業や自治体、研究機関、データセンター事業者などを対象に「業務向けAIサーバー(NVIDIA RTX Proサーバ)」の受注を2026年9月15日より開始した。同社は日本国内のAIサーバ事業で2030年度に売上高約2500億円を目指す。
シャープは2026年9月15日、東京都内で会見を開き、AI(人工知能)サーバ事業参入に伴う事業概要を説明した。同社は2027年度の販売開始に向け、企業や自治体、研究機関、データセンター事業者などを対象に日本国内でNVIDIAのテクノロジーを搭載した「業務向けAIサーバー(NVIDIA RTX Proサーバ)」の受注を同日より開始した。また、「大規模学習・推論向けAIサーバー(NVIDIA HGX システム)」についても、今後受注を開始する予定である。
顧客の用途に合わせてカスタム可能なAIサーバを展開
業務向けAIサーバーは、「NVIDIA RTX 6000 Blackwell Server Edition GPU」を最大8基搭載可能なモジュール設計に基づくGPUサーバである。業務用途でのAI活用やシミュレーション、ビジュアルコンピューティングを想定し、顧客の用途に合わせてGPUやメモリ、ストレージなどを選択可能だ。推論やAIアプリケーション開発、業務システムへのAI組み込みなどに対応している。
CPUにはIntel Xeon 6シリーズプロセッサを2個、メモリにはDDR5 RDIMM 96GBを32個(合計3TB)採用している。ストレージにはM.2 NVMe 3.84TBを2個(合計7.68TB)とE1.S NVMe 1.92TBを16個(合計30.72TB)搭載し、電源にはCRPS PSU 3200Wを4個(3+1 冗長構成)を取り入れている。
同サーバは空冷方式を採用。外形寸法は高さ175×幅438×奥行800mmであり、4Uラックに対応している。推論性能は32 PFLOPSだ。
大規模学習・推論向けAIサーバーは、8基のGPUをNVIDIA NVLinkによって組み合わせたサーバ用基盤である「NVIDIA HGX Rubin NVL8」を搭載し、液冷(Direct Liquid Cooling)方式を採用している。NVIDIA ConnectX-9 SuperNICアダプターおよびNVIDIA BlueField-4 DPU構成にも対応しており、LLM(大規模言語モデル)を含む生成AIモデルの学習/推論に適している。高密度/高出力の安定運用を実現し、AI学習基盤やデータセンターの中核用途に適したモデルである。
また両AIサーバの共通機能として、NVIDIA Enterprise Reference Architecture(Enterprise RA)に基づくクラスタ展開に対応しており、NVIDIA Quantum InfiniBandおよびNVIDIA Spectrum-X Ethernetを組み合わせ、スケーラブルなAIファクトリーの実装を実現する。
AIサーバ事業におけるシャープの目標
シャープはAIが社会のインフラになっていくと捉えており、AIの価値を社会全体に届けるための基盤構築に向けて、AIサーバ事業と衛星通信事業に注力している。シャープ 社長執行役員CEOの河村哲治氏は「AIサーバ事業への挑戦は1つの新規事業としてではなく、私たちの変革に向けた重要な取り組みの核になっていく可能性がある。当社は『暮らす』『働く』の領域でさまざまなハードウェアソリューションを展開しており、このような分野にもAIが本格実装される。今回はAIサーバの販売からスタートするが、その先にはこの事業と既存事業を融合させた新たな創造に挑戦し、シャープ全体の進化へとつなげることを目指す」と強調する。
シャープは3つの段階に分けてAIサーバ事業を展開していく方針だ。ステップ1では、AIサーバの販売から事業に参入し、日本国内の運用/保守体制を構築する。ステップ2では同社が持つ顧客や現場の接点を生かし、AIサーバの提供に加え、顧客のAI活用を支援する領域へ事業を拡大する。ステップ3では、フィジカルAIやエージェンティックAIの進展/発展を見据えて現場のAI活用を支えるAI基盤を整え、グローバル展開を目指す。
AIサーバ事業の展開に当たり、シャープはプラットフォームにNVIDIAを、調達/製造のパートナーに鴻海科技集団(Foxconn)グループを、販売パートナーにダイワボウ情報システムとリョーサン菱洋を、SI/保守パートナーにトゥモロー・ネットを設定し、各社と連携しながらAIサーバの導入/運用体制を構築する。
シャープ スマートビジネスソリューション事業本部 AIサーバー事業統轄部 統轄部長の宇徳浩二氏は「当社は成長する国内AIサーバ市場のうち、国内企業や国内クラウド事業者を中心とした推論市場を主戦場とする。鴻海(ホンハイ)グループとの連携や日本の顧客/現場との接点、国内の共創体制を生かし、2030年度に売上高2500億円を目指す。今回のサーバ販売を起点に、日本のAI活用を支える事業へと成長させる」と意気込みを述べた。
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