「過去図面が見つからない」を解消へ、3D形状検索で年間240時間の工数削減:メカ設計ニュース
スマートスケープは、ジェイテクトマシンシステムが3D類似形状検索システム「SS4M」を利用し、設計資産を部門横断で活用するデータ基盤の構築を進めていると発表した。検索工数の削減などに貢献している。
スマートスケープは2026年9月7日、ジェイテクトマシンシステムが3D類似形状検索システム「SS4M」を利用し、設計資産を部門横断で活用するデータ基盤の構築を進めていると発表した。
ジェイテクトマシンシステムは、3Dモデルを全社共通のデジタル資産として活用する「3Dデジタル構想」を推進している。取り組みの一環としてSS4Mを活用し、承認済み3Dモデル約3万点を検索/再利用できる環境を整備した。
設計部門で毎月約300件発生する参考図検索業務の効率化に加え、営業や管理/調達、生産、保守など複数部門での3Dデータ活用につなげる。
過去図面検索の手間が課題、見つからずに新たに作成するケースも
ジェイテクトマシンシステムは、技術継承の課題などを背景に、将来を見据えた3D設計の推進に取り組んできた。
同社は毎月約1000枚の図面を取り扱っており、そのうち約300枚で過去図面の検索が発生していた。検索では担当者の記憶やキーワードに頼る場面が多く、必要な図面が見つからずに新たに図面を作成するケースもあるなど、設計資産を十分に生かし切れていないことが課題だった。
こうした課題の解決に向け、同社は3D形状を検索キーとして過去のモデルを探せるSS4Mを導入した。
「iCAD」で作成中の3Dモデルから類似検索
ジェイテクトマシンシステムは、SS4MのAPI(Application Programming Interface)を利用し、「iCAD」上で作成中の3Dモデルを基に、類似する承認済みモデルを検索できるツールを開発した。図番や案件名が分からない場合でも、形状を起点に必要な設計資産へアクセスでき、既存設計の流用や設計検討の効率化につながっているという。
図面承認後の3DモデルをSS4Mへ登録する運用フローも確立している。ユニット単位での検索やアセンブリ分割、断面表示に対応する他、属性検索によって自社の運用に合わせた検索環境を構築できる。
また、サーバライセンスを採用し、設計部門だけでなく管理/調達部門などでも利用できる環境を整えた。
検索や新規図面の作成工数を削減
ジェイテクトマシンシステムの設計部門では、SS4Mの導入により、毎月約300枚発生する参考図検索を効率化し、年間約240時間の検索工数の削減につなげた。3D活用基盤による問い合わせ工数の4割削減にも寄与しているという。管理/調達部門では、同形状部品の新規図面作成が1カ月当たり約10件減少し、年間約28時間の管理/調達工数を削減したとしている。
今後は、物流部門における年間8000点以上の物品の受入検査でSS4Mを活用し、複雑な形状の把握にかかる工数の50%削減を目指す。
また、3Dモデルを会社全体のデジタル資産として活用する3Dデジタル構想をさらに推進する。SS4Mによる類似形状検索に加え、独自ツールで管理する出図履歴や参考機、派生機種などの履歴情報と組み合わせる他、営業の見積/販売実績、管理/調達の工程および調達情報、生産のCAMデータや加工シミュレーション、保守のメンテナンス履歴などを3Dモデルと関連付け、部門横断で活用できる環境の構築を進める考えだ。
3Dモデルを起点に設計、営業、管理/調達、生産、保守の情報を連携させる、ジェイテクトマシンシステムの「3Dデジタル構想」のイメージ[クリックで拡大] 出所:スマートスケープ、ジェイテクトマシンシステム
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