タイガー魔法瓶が「再生医療」の検体輸送向け、真空断熱セルポッドを開発:医療機器ニュース
タイガー魔法瓶とガウディ クリニカルは、再生医療における細胞輸送向け小型医療検体輸送容器「真空断熱セルポッド」を開発した。潜熱蓄熱材を使用し、20℃帯で24時間、5℃帯で11.5時間、温度を維持する。
タイガー魔法瓶は2026年8月20日、ガウディ クリニカルと共同で、ステンレス真空断熱技術を活用した小型医療検体輸送容器「真空断熱セルポッド」を開発したと発表した。同年4月よりテスト運用を開始し、2027年の実用化を目指して製品改良を進めている。
真空断熱セルポッドは、タイガー魔法瓶のステンレス真空断熱技術を活用した個別管理用の小型容器だ。従来の断熱輸送箱に比べて小型かつ軽量化され、公共交通機関での移動やハンドキャリーによる輸送にも対応する。個別の検体ごとに取り扱えるため、病院内などでの検体の取り違えリスクを低減できる。
温度管理面では、潜熱蓄熱材を用いることで、20℃帯で24時間、5℃帯で11.5時間の安定した温度維持を達成した。フタ内部には、太平洋工業製の温度ロガーを組み込んでいる。温度ロガーのBluetooth通信を介してスマートフォンと連携し、リアルタイムで輸送中の温度データを取得。データをクラウドへ集約し、本部で一括管理できる。規定温度から逸脱すると、アラートを発報する。
実証実験では、再生医療の細胞輸送プロセスに同製品を導入し、採取、用時調製、納品の3つのフェーズを最適化。温度管理、持ち運びやすさ、取り扱い負荷について、実運用環境下での有効性を検証し、現場負担の軽減や安全性の向上、移送手段の多様化、複数箇所納品、定時性の向上、細胞取り違えリスクの低減につながる可能性を確認した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
“再生医療のラストワンマイル”に挑む、細胞加工製造ユニット「KIOSK」が完成
Gaudi Clinicalは、医療機関近接型の小型細胞製造ユニット「KIOSK」を始動した。安確法適合の拠点を分散配置し、輸送コスト削減と品質維持を両立。「再生医療のラストワンマイル」をつなぐ次世代インフラ構築を目指す。
アステラス製薬がヒト型ロボットによる細胞培養の自動化に向け、技術指定を取得
アステラス製薬は、安川電機の子会社が開発したヒト型汎用ロボット「まほろ」を活用した細胞培養自動化システムで、米国食品医薬品局から先進製造技術指定を取得した。
ロボットとAIで細胞医療の「死の谷」を克服、アステラスと安川出資の新会社が始動
アステラス製薬と安川電機が共同出資するセラファ・バイオサイエンスが、ロボットとAIを活用して細胞医療製品の研究開発からGMP製造までを可能にする次世代細胞製造プラットフォームの事業展開について説明した。
まるでウナギ? 脂肪を再現する細胞株で培養へ前進
東京都立産業技術研究センターは、ニホンウナギの筋肉組織から、脂肪を生産できる細胞株を樹立した。得られた細胞株は自然不死化細胞株で、ウイルスや薬剤を使わずに連続培養できる。
ストレスで皮膚が若返る? 老化した幹細胞を若い状態に戻すメカニズムを発見
大阪大学は、超速老化魚キリフィッシュと独自の可視化、網羅解析を用いて、小胞体ストレス応答が表皮幹細胞の若さを保つ仕組みを解明した。老齢表皮に小胞体ストレスを与えると遺伝子発現が若返り、増殖が回復した。
遺伝子治療薬の生産性を高める連続エレクトロポレーション装置を共同開発
富士フイルムと堀場製作所は、遺伝子治療薬の生産性を従来比で約100倍に高める遺伝子導入装置を共同開発した。堀場製作所が連続エレクトロポレーション技術の実装を担当し、2026年以降の装置発売を目指す。



