国産ヒューマノイドへ、日本精工が「世界一のカレー屋」目指すアトムから得るもの:FAニュース(2/2 ページ)
日本精工とスタートアップのアトムが、国産ヒューマノイドの開発に関するMOUを締結。両社のトップが、提携の狙いや今後のロードマップなどを語った。なぜアトムが自社の開発戦略を「世界一のカレー屋」に例えるのか、日本精工はこの提携で何を得ようとしているのか。会見の模様から真意をひもとく。
フィジカルAIの鍵となるアクチュエーター、両社の化学反応で開発加速
青木氏によれば、ヒューマノイドを構成する部品において、大きな比率を占めるのがアクチュエーターとバッテリーになるという。特に、アクチュエーターの性能が大きなポイントになるとする。「フィジカルAIの開発においては、AIを駆動させる際にハードウェアがどれだけしっかりしているかが重要になるが、それはつまり、アクチュエーターが指示通りしっかり動けるかだ。そのため協力してくれるメーカーを探していた」(青木氏)。
フィジカルAIデータの共同収集に関しては、「物流現場を模擬した施設を作って、そこでデータの収集はできるが、製造業は現場によって全く環境が違う。担当者レベルで日本精工の製造現場を見せていただきながら、同じような環境を作ってデータを収集し、実際の現場に投入できるようにしようと話を進めている。実際の生産現場でどんな問題が起きているのか、5年後にどんな問題が起こり得るのかなどを、手触り感がある状態で議論している」(青木氏)。
市井氏がヒューマノイドの活用をイメージするのは、各工程のつなぎとなる部分だ。日本精工の工場でも、量産品の組み立てや検査などの工程では自動化が進んでいる。「それらの工程をどうやってつなぐかにわれわれのような部品メーカーが抱えている大きな課題がある。私としては、この工程間のつなぎでの活用にフォーカスしたい」(市井氏)。
青木氏は、日本精工のエンジニアと開発を進める中で、彼らの“型破りな姿勢”も印象に残っているという。「日本精工のエンジニアからは、“壊れてもいいから試そう”という、普通なら歴史ある企業からは出てこないような言葉が出てきて驚いた。スタートアップと大企業という一見するとかみ合わせが悪く見える組み合わせだが、エンジニアの方々とは同じ“仲間”という意識で開発を進められている」(青木氏)。
市井氏も相性の良さは感じている様子だ。「当社には、壊れるものを壊れないようにすることに生きがいを感じる元気な技術者が数多くいるが、最近の設備や製品は壊れにくくなっている。そこに新しいチャレンジとして、(アトムの)若いメンバーと一緒に夢を追いかけることで、われわれのスローガンでもある『変わる 超える』を具現化するいいきっかけになるのでは」と市井氏は期待する。
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