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「普通の眼鏡」がAI端末になる――スマートグラス市場の現在地と次の進化:組み込みイベントレポート(3/3 ページ)
スマートグラスは、業務用の特殊機器から「日常生活で身に着けるAI端末」へと変貌を遂げつつある。「スマートグラスサミット2026 Summer」の基調講演では、明らかにフェーズが変わったスマートグラス市場の動向や今後の進化の方向性などが語られた。
技術の進化と「社会的な受容」のトレードオフ
市場の急拡大と技術の進化が進む一方で、スマートグラスが社会に溶け込むためには越えなければならない壁もある。プライバシーと社会的受容性の問題だ。
見た目が普通の眼鏡に近づけば近づくほど、周囲の人間からは「今、撮影されているのかどうか」が判別しにくくなる。塚本氏は、撮影中を示すインジケーターの設置はもちろん、インジケーターを物理的に隠したり破壊したりした場合には撮影機能そのものが作動しなくなる「改ざん検知(インターロック)」といった信頼性確保の仕組みが不可欠だと指摘する。
また、デバイスが賢くなりユーザーの行動に介入できるようになればなるほど、「便利な支援」と「うざったい干渉」の境界線が問題になる。健康のためとはいえ、指示され過ぎればユーザーは自己主体感を損なってしまうからだ。
スマートグラス市場は確実に新しい扉を開けた。
かつての「画面を見るための表示装置」から、AIとセンシングによって「人と環境を理解し、適切に支援する装置」へ。次の競争軸は、単なる画質や解像度ではない。ユーザーの意思やプライバシーを尊重しながら、いかに人の生活に寄り添えるか――スマートグラスは今、人間理解の精度を競う新たなフェーズへと走り出している。
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