基本波で625MHzまでの高周波に対応する次世代水晶デバイスを本格量産を開始:組み込み開発ニュース
大真空は、次世代水晶デバイス「Arkh」シリーズの本格的な量産を開始した。高周波に対応する水晶発振器「Arkh.2G」を供給することで、光トランシーバー市場への本格的な参入とシェア拡大を目指す。
大真空は2026年7月15日、独自の事業戦略である「Arkh構想」に基づき開発した次世代水晶デバイス「Arkh」シリーズの本格的な量産を同月より開始したと発表した。高周波に対応する水晶発振器「Arkh.2G」を供給することで、光トランシーバー市場への本格的な参入とシェア拡大を目指す。2027年度には「Arkh.3G」(標準品目)で月産2500万個の量産体制を整える予定だ。
同シリーズは、水晶ウエハー状態で全ての加工を完了させ、3枚のウエハー接合後にレーザーで切断する。この製造プロセスにより、高周波に対応しながら材料調達のリスクやコスト変動の影響を低減する。
Arkh.2Gの差動出力発振器は、基本波で625MHzまでの高周波に対応。この性能により、高速データ通信システムにおけるクロック源としてシステム全体のパフォーマンスを最大化し、光トランシーバーの高速化に伴う内部の高温環境下でも安定した性能を提供する。
また、Arkh振動子のウエハーレベルパッケージ(WLP)構造は、完成した振動子を他社製品へ容易に組み込める利点を持つ。これにより、他社がKGD保証済みのArkh.3G振動子を自社製品に採用しやすくなり、戦略的アライアンスを通じて市場への浸透と業界標準化を加速する。
Arkh.3G振動子は、セラミックパッケージや特定の接着剤、ヘリウムを使用しない製造プロセスを採り入れており、材料調達リスクを低減するとともに、金の使用量を削減して資源価格変動の影響を抑える。将来的には車載向けやウェアラブル機器などの市場へも応用領域を広げていく予定だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
水晶デバイス群をフルオート生産、64億円投資の本社工場が2024年8月に完成へ
大真空は、加古川市の中央研究所に隣接する敷地に建設中の本社工場が、2024年8月に竣工すると発表した。水晶デバイス群「Arkh」のフルオート生産を中心とした新たな生産方式により、価値を創出するスマート工場を目指す。
位相ジッタ30フェムト秒を達成した低ノイズの差動クロック用水晶発振器
京セラは、位相ジッタが30フェムト秒と低ノイズの差動クロック用水晶発振器「X」シリーズを発表した。AIサーバなど高速データ通信におけるノイズや消費電力の低減に貢献する。
1612サイズで±40ppmの周波数安定度を達成した車載狭偏差対応の水晶振動子
日本電波工業は、車載狭偏差に対応する水晶振動子「NX1612SA」を開発した。自社育成の水晶原石と独自のフォトリソ加工技術の採用により、1612サイズながら−40〜+125℃において±40ppmの周波数安定度を達成した。
SiTimeが振動子もシリコンMEMS化、5つの周波数全てを0505サイズで提供
SiTime JapanはシリコンMEMS振動子「Titan Platform」について説明。5つの発振周波数に対応する製品全てを0505サイズで提供するなどして、水晶振動子の置き換えを狙う。
タイミングデバイスはシリコンMEMSが性能優位、SiTimeが生成AI需要の取り込みへ
SiTime Japanは、シリコンMEMSベースの高精度タイミングデバイスの優位性を説明するとともに、AIデータセンターなどで用いられるアクセラレータカードやネットワークカードなどに最適なクロックジェネレータ製品ファミリー「Chorus」を発表した。
水晶発振器向けの低ノイズ差動出力を独自開発
セイコーエプソンは、水晶発振器用に独自の差動出力「Wide Amplitude LVDS」を開発した。LSIの振幅レベルに応じた低ノイズの出力をフレキシブルに選択できる。
