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いざ「Re:Nissan」実現へ、日産栃木工場が挑んだ「生産体制の比例化」ものづくりワールド[東京]2026(1/3 ページ)

日本最大級の製造業総合展示会「第38回 ものづくりワールド 東京」において、日産自動車による講演「自動車産業を取り巻く環境変化に対応した生産体制の比例化 需要変動に負けない工場へ―生産体制の比例化に挑んだ現場の失敗と再挑戦」が行われた。講演の模様をダイジェストで紹介する。

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 EV(電気自動車)市場の拡大は、自動車メーカーに新たな成長機会をもたらす一方で、生産現場には大きな難題を突き付けている。国や地域によって需要の伸び方が異なり、補助金などの政策や規制の変化によって販売動向も大きく変動する。需要が増えれば残業が発生し、需要が減れば人員に余力が生まれる。生産体制を固定したままでは、変動に追従するたびにロスが生じてしまう。

 こうした課題に対し、日産自動車の栃木工場は「生産体制の比例化」に挑んだ。需要に合わせて、人員や稼働時間、役割を柔軟に変化させる取り組みである。

 日本最大級の製造業総合展示会「第38回 ものづくりワールド 東京」(2026年7月1〜3日、東京ビッグサイト)で、特別講演「自動車産業を取り巻く環境変化に対応した生産体制の比例化」に登壇した日産自動車 理事 栃木工場 工場長の江口智樹氏は、冒頭でこう語った。

「きれいな成功事例ではない。一度はうまくいかなかったストーリーではあるが、想定しなかった失敗、そこからの気付き、そして再挑戦についてお話したい」(江口氏)

 講演のサブタイトルは「需要変動に負けない工場へ―生産体制の比例化に挑んだ現場の失敗と再挑戦」。その内容は、変化の激しい時代における工場運営の在り方を示すものだった。

日産自動車の栃木工場における生産体制の比例化の取り組みを紹介
日産自動車の栃木工場における生産体制の比例化の取り組みを紹介[クリックで拡大]

スポーツカーとEV、2つのラインが抱えた需要変動

 栃木工場は、栃木県宇都宮市の南約15kmに位置する同社の主要生産拠点である。敷地面積は293万m2。東京ディズニーランド約6個分に相当する広大な敷地に、鋳造工場、車軸工場、車両工場、さらに開発部門の実験部を備える。従業員数は工場部門で約4700人、実験部を含めると約5300人に上る。

 車両生産ラインは2本あり、1本目の「#1ライン」では、「スカイライン」や「フェアレディZ」などのスポーツカーを生産している。かつては、日産自動車のスポーツカーの象徴ともいえる「GT-R」もこのラインで生産されていた。2本目の「#2ライン」では、「アリア」や「リーフ」などのEVを生産している。

 スポーツカーは、モデルイヤーやイベントなどによって需要が大きく上下しやすい。一方のEVも、欧州や北米で排ガス規制の見直しが進み、EV市場の先行きが不透明になっていると江口氏は説明した。日本市場ではEVの構成比は全体の2%弱で推移しており、海外メーカーの参入もあって競争が激化している。

「栃木工場の生産モデルは、将来の需要が非常に読みにくい。需要が変動するという前提で、生産体制をどう構えるかが課題だった」(江口氏)

 理想は、需要と生産能力がぴったり一致する状態だ。だが現実には、スポーツカーの需要が低い時には#1ラインで定時間分の生産量を確保できず、逆にEV需要が高まれば#2ラインで残業が発生する。需要が逆に振れれば、今度は反対の問題が起こる。そこで考えたのが「生産体制の比例化」だった。

 ここでの比例化は変動に合わせて、柔軟に最適化する取り組みを指す。「例えば、スポーツカーの需要が低く、EVの需要が高い時は#1ラインの作業員が、#2ラインの仕事をすればいいのではないかと考えた。これができれば、#1ラインのロス時間をなくし、#2ラインの無駄な残業を避けられるはずだ」と江口氏は考えた。

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