NVIDIAフアン氏が神田に現る――日本製造業巻き込む「ジャパンAI協業」祭り:1週間を凝縮! 今週の製造業ニュース
2026年7月13〜17日に公開された記事の中から、MONOist編集部が厳選した今週の注目ニュースをお届けします。
2026年7月15日に、X(旧Twitter)に投稿された1枚の写真が話題となりました。
東京都神田の飲み屋街で撮影されたその写真の中央には、NVIDIA 創業者兼CEOのジェンスン・フアン氏の姿が……。さらにその周りには、日本の名だたる製造業のトップと思われる人物たちが和気あいあいと並んで歩く様子も捉えられていました。
なぜ、世界のAI(人工知能)市場をけん引するNVIDIAのCEOが、日本のサラリーマン街のど真ん中にいたのか。その理由を裏付けるかのように、翌16日、NVIDIAと日本企業による大規模な協業が次々と発表されました。
日本の製造業リーダーらと協業、「国家AIファクトリー」構築も
NVIDIAは16日、オープンなフィジカルAIモデルの構築を目指す「NVIDIA Cosmos Coalition」の日本拡大戦略を打ち出しました。同コミュニテイにはファナック、富士通、日立製作所、川崎重工業、コマツ、クボタ、NEC、ソフトバンクなどが参画を表明しました。参画によりNVIDIAのプラットフォーム上で構築される世界モデルを、日本企業が検証/活用できるようになり、オープンなフィジカルAIモデルの構築を進めるとしています。
個別企業との具体的な協業内容も明らかになりました。日立製作所とは、現場全体の自律化と自社プラットフォーム「HMAX」の進化に向けた協業を発表し、徳永俊昭社長がフアン氏と個別面会を行いました。トヨタ自動車とは、車両やインフラ、産業オペレーションにまたがる包括的な協業拡大を打ち出しています。ゲーム分野では、セガとの30年を超える協業を記念し、新作「VIRTUA FIGHTER CROSSROADS」などの同社タイトルを、薄型ノートPCや小型デスクトップPC向けの新スーパーチップ「NVIDIA RTX Spark」に対応させると発表しました。
さらに同日、個別企業のみならず、日本の国策と連携した大規模な発表も行われました。経済産業省とNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は、東京都内で開催した「我が国のフィジカルAI政策に関する対外発信イベント」において、AIロボットやフィジカルAIに用いられる国産マルチモーダル基盤モデル「FRONTia(フロンティア)」の開発プロジェクトを本格始動させると発表しました。これに合わせ、NVIDIAはFRONTiaの計算基盤としてNoetraと連携し、最新の「Rubin GPU」を2万7500基投入する巨大データセンター「NVIDIA Vera Rubin AI ファクトリー」を日本国内に構築すると発表しました。
開発体制としては、ソニーグループ、ソフトバンク、NEC、ホンダらが出資するNoetraがAI基盤モデルの開発を、産総研がそれに必要な最先端技術の研究をそれぞれ担う形で推進する方針です。
フアン氏は会見で、日本のものづくりを次のように称賛しました。「1世紀以上にわたり、日本は現代製造業における卓越性の基準を築き上げてきた。『メイド・イン・ジャパン』は、最高品質と最高精度の象徴である。日本の産業ノウハウはまさに『国家の知性』であり、国そのものの宝だ。そして今、その知は『Japan AI』として結実し、次なる産業革命へとつながっていくだろう」。
AI開発の主戦場は今、現実の物理空間を動かす「フィジカルAI」へと移行しつつあります。今回の発表は、その新たな領域において、NVIDIAが日本企業をいかに強力なパートナーとして重視しているかを示す形となりました。フアン氏は、日本が持つこの独自の資産をNVIDIAの技術と融合させることで、新たなフィジカルAIの世界標準を自社主導での確立を見据えているのかもしれません。ぜひ各ニュースの詳細記事もご覧ください。
日本再起の旗印となるか、国産マルチモーダルAI基盤「FRONTia」が始動
経済産業省とNEDOは、AIロボットやフィジカルAIに用いられる国産マルチモーダル基盤モデル「FRONTia(フロンティア)」の開発プロジェクトの本格始動に合わせて、東京都内で「我が国のフィジカルAI政策に関する対外発信イベント」を開催した。(2026年7月17日公開)続きを読む
検査装置が「考える」時代へ オムロンがNVIDIAとの協業で広げるAI検査
オムロンは、NVIDIAとの協業により進めてきた検査装置の高精度化と関連業務の簡易化に関する技術の概要について紹介した。(2026年7月17日公開)続きを読む
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