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日本再起の旗印となるか、国産マルチモーダルAI基盤「FRONTia」が始動人工知能ニュース(1/3 ページ)

経済産業省とNEDOは、AIロボットやフィジカルAIに用いられる国産マルチモーダル基盤モデル「FRONTia(フロンティア)」の開発プロジェクトの本格始動に合わせて、東京都内で「我が国のフィジカルAI政策に関する対外発信イベント」を開催した。

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 経済産業省とNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は2026年7月16日、AI(人工知能)ロボットやフィジカルAIに用いられる国産マルチモーダル基盤モデル「FRONTia(フロンティア)」の開発プロジェクトの本格始動に合わせて、東京都内で「我が国のフィジカルAI政策に関する対外発信イベント」を開催した。

 FRONTiaは、「実世界を自然と理解する、信頼性の高いAI基盤」を意味する、「Foundation for Real-world Omni-Native Trustworthy Intelligence &Alignment」の頭文字から名付けられた。人の五感を1つのモデルで網羅するマルチモーダル統合と実世界を理解する1兆パラメーター級の推論基盤モデルと、複雑な実世界を再現し、仮想世界で100万回の試行錯誤ができる世界モデルを中核とした生成基盤モデルから構成されている。

FRONTiaとは
FRONTiaとは[クリックで拡大] 出所:経済産業省

 FRONTiaの開発は、ソニーグループ、ソフトバンク、NEC、ホンダが出資するNoetraと産業技術総合研究所(産総研)が両輪となって推進する。NoetraがAI基盤モデルの開発を、産総研がAI基盤モデルに必要な最先端技術の研究を担う。

 同イベントでは、冒頭で内閣総理大臣の高市早苗氏がビデオメッセージを寄せ、その後経済産業大臣の赤澤亮正氏があいさつを行ってから、FRONTiaを推進するNoetraと出資社4社、産総研、NEDOの各トップ、赤澤氏、そしてFRONTiaの開発に用いられる計算基盤に用いられる「NVIDIA Rubin GPU」を提供するNVIDIA 創業者兼CEOのジェンスン・フアン(Jensen Huang)氏によるフォトセッションが行われた。

フォトセッションの様子
フォトセッションの様子。上段の左から、NEDO 理事長の斎藤保氏、ソニーグループ 代表執行役 社長 CEOの十時裕樹氏、ソフトバンク 代表取締役 社長執行役員兼CEOの宮川潤一氏、産総研 理事長兼最高執行責任者の石村和彦氏。下段の左からNEC 取締役 代表執行役社長兼CEOの森田隆之氏、Noetra 代表取締役社長の丹波廣寅氏、経済産業大臣の赤澤亮正氏、NVIDIA 創業者兼CEOのジェンスン・フアン氏、ホンダ 取締役 代表執行役社長の三部敏宏氏[クリックで拡大]

 高市氏は「高市内閣は日本成長戦略を掲げて、戦略17分野の官民投資ロードマップに基づき戦略的な投資を加速させている。フィジカルAIについては、2040年度までに半導体を含め80兆円の還元投資を想定しており、その第一歩としてフィジカルAIの開発基盤の構築を目指して本日より始動するFRONTiaプロジェクトだ。信頼できるフィジカルAIをここ日本で生み出し世界に打って出る、FRONTiaプロジェクトを日本再起の旗印としていきたい」と語る。

内閣総理大臣 高市早苗氏のビデオメッセージ
内閣総理大臣 高市早苗氏のビデオメッセージ[クリックで拡大]

 赤澤氏は「FRONTiaプロジェクトでは、Noetraと産総研のコンソーシアムに結集した国内外の優れたエンジニアたちによる新たな挑戦が始まる。本プロジェクトを担うエンジニアが思う存分力を発揮してくれることを期待している。最先端技術やニーズを学び合い、困難な課題に挑戦し、人とAIが共生する世界のフロンティアを切り開く。そういった熱い思い、情熱を持った多様な人材が今後さらに参画することを心から歓迎する。信頼できるフィジカルAIを社会実装し、日本全体のAIトランスフォーメーションを進めていく。そして世界が抱えるさまざまな社会課題の解決に貢献していく。技術で買ってビジネスで負けるといわれてきたわが国だが、技術で勝ってビジネスでも勝ち切るということを目指して全力を挙げていきたい」と述べる。

経済産業大臣の赤澤亮正氏
経済産業大臣の赤澤亮正氏。NVIDIAのジェンスン・フアン氏に合わせて革ジャンを着用[クリックで拡大]

 フォトセッション終了後には、フアン氏が登壇してメッセージを贈った。「日本は今、『Japan AI』を自らの手で構築しなければならない。日本の産業ノウハウこそが、日本の知性であり、かけがえのない国の財産だ。1世紀以上にわたり、日本は現代製造業における卓越性の基準を築き上げてきた。『メイド・イン・ジャパン』は、最高品質と最高精度の象徴である。『匠』『改善』『かんばん』『現場』――日本はこれらの価値を、世代を超えて継承し、産業の知見を文化として体現してきた。その知識は、造船所や工場、道路、病院、ネットワーク、そしてそれらを支える人々の中に脈々と息づいている。この知は、決して失われてはならない。日本は国家の知性を外部に委ねることなく、自ら所有し、磨き上げ、守り、そして活用していく必要がある。これを可能にするのがフィジカルAIだ。これは次なる産業革命の礎となるものであり、メイド・イン・ジャパンで実現されるべきである。個人的な願いとして、Japan AIが大手製造業のみならず、世代を超えて技術を継承する町工場や家族経営の工房にまで広く貢献することを期待している。AIの力により、小規模な製造業者であっても、ロボットに新たな工程を教え、熟練の技を次世代へと確実に継承することが可能になる。日本の産業ノウハウは、まさに『国家の知性』であり、国そのものの宝だ。そして今、その知は『Japan AI』として結実し、次なる産業革命へとつながっていくだろう」(フアン氏)。

NVIDIAのジェンスン・フアン氏
NVIDIAのジェンスン・フアン氏[クリックで拡大]

 また、国内外有識者からのメッセージとして、内閣府 人工知能戦略専門調査会の座長を務める東京大学 教授の松尾豊氏が登壇した他、FRONTiaプロジェクトの研究開発に参加するAMI Labs 共同創業者/ニューヨーク大学 クーラント数理科学研究所 教授のヤン・ルカン氏、LawZero創立者/Mila創立者、科学アドバイザーのヨシュア・ベンジオ氏がビデオメッセージを寄せた。

東京大学 教授の松尾豊氏
東京大学 教授の松尾豊氏[クリックで拡大]
ヤン・ルカン氏ヨシュア・ベンジオ氏 ヤン・ルカン氏とヨシュア・ベンジオ氏のビデオメッセージ[クリックで拡大]

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