次なる産業革命へ、トップはかく語りき NVIDIA/富士通/ファナック/安川/川重:FAイベントレポート(2/3 ページ)
富士通は、ファナック、安川電機、川崎重工業、NVIDIAとともに東京都内で記者会見を開き、フィジカルAI分野における事業検討を開始したことを発表した。事業の概要とともに、会見における各社トップの発言を紹介する。
NVIDIA CEOのジェンスン・フアン氏
日本は、近代の産業革命をけん引してきた。匠やカイゼン、カンバン、現場などに代表される卓越性は、哲学であると同時に生き方そのものだった。メイドインジャパンが意味するのは最も質が高く、最も精度が高いという点だ。
日本がスタンダードを作ってきた。それは、現代における最先端の製造のスタンダードだ。
サーボはnm単位の位置決め精度を誇り、エンコーダーは6700万分の1に当たる角度を認識する。ロボットは何時間も、何年間も全く同じ動作を正確に繰り返す。これらの不可能ともいえるテクノロジーは、日本で生まれた。
今、次なる産業革命の時が到来した。15年間の努力の末、フィジカルAIの波がやってきた。これは次の産業革命の基盤となるものだ。NVIDIAはそれを実現するためのフルスタックを構築した。
「NVIDIA Omniverse」と「NVIDIA Cosmos」ではフィジカルAIを開発するための仮想世界を作り出した。物理シミュレーターである「NVIDIA Isaac」や物理エンジンの「Newton」を使い、ロボットはスキルを学ぶことができる。ロボットのコンピュータに当たる「NVIDIA Jetson」ではインテリジェンスが運用される。
日本のメカトロニクスとNVIDIAの物理AIを組み合わせることによって、産業自動化の新しい時代が到来する。ロボットがよりスマートになり、適用しやすくなり、アクセシブルになる。
これは、大手企業だけでなく中小製造業にも適用される。数分で新しい部品に対応できるようになり、技術者がロボットにスキルを教えることができる。モノづくりが新しい世紀に入る。
ロボットの世界は広く、まだ始まったばかりだ。今のロボットは力強く精度が高い。同じ動きを正確に何度も繰り返すことができる。しかし、プログラミングは人がマニュアル的に行っている。そのため、環境やワーク、タスクが変わる度に、プログラミングをやり直さなければならない。大半の中小企業にとっては、産業用ロボットを大規模に導入するのはハードルが高い。
NVIDIAのフィジカルAIのプラットフォームは富士通のOSに入っている。全てのパートナーが使うことができる。
NVIDIAのAIモデルやデータ、テクノロジーは全てオープンだ。基盤モデルはあくまで出発点にすぎない。いかなる企業、国家でも最先端のAI技術を取り入れることはできる。しかし、いかなる企業、国家でもインテリジェンスを外注すべきではない。日本で生み出し、所有すべきだ。そのインテリジェンスは日本の根本的な知財となるからだ。それこそがAIといえる。すなわち、適用してコントロールでき、自分のインテリジェンスとして所有できるということだ。
フィジカルAIは、言語AIよりはるかに難しい。フィジカルAIには失敗の余地がないためだ。機械的で重量があり、危険性も高い。そのため、求められる水準が非常に高い。
日本企業は大変忍耐強い。だからこそ最先端の産業国になった。日本の皆さんは日本がいかに偉大であるか目に見えないかもしれないが、外から日本を見ると産業が卓越している点がたくさん目に付く。
ロボットのデザインも画一的ではないし、目的によって最適な形も違う。手術用のロボットと、ヘルスケアのアシスタントロボット、ホームアシスタントロボットは形が異なって当然だ。ヒューマノイドはそれらのロボットの中の1種類ではあるが、ロボットにはあらゆる多様な形が存在する。タスクの種類も無数にある。異なる顧客の異なる問題の解決に当たらなければならない。
実現できるテクノロジーがようやくできた。これが次の産業革命になり得る。
AIは世界中どこでも学習ができる。AIはとても賢い。だからこそ、ChatGPTはあれほど使いやすいのだ。
もしAIの使い方が分からなければ、AIに「使い方が分からないから教えてほしい」と言えばいい。もしプログラムが書けなかったら、AIに代わりにプログラムを書いてもらうこともできる。AIは作ることも簡単だ。
日本の素晴らしいメカトロニクスの技術とフィジカルAIを融合することができる転換点であり、素晴らしい機会だ。両者を組み合わせることによって、世界最高峰のメカトロニクスと世界最高峰のAIが生まれるだろう。だからこそ、早く動かなければなりません。
日本の株価をご覧ください。いかに早く日本が動けるかが分かるだろう。この一生に1度の機会を活用するのに必要な能力を日本は持っている。必要なものは全てそろっている。基礎的なテクノロジー、専門性、安全性に対する考え方、文化もある。巨大な製造業が日本にはある。この機会を逃してはならない。
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