人材育成から検査自動化、脱中国まで――DMG森精機欧州最大生産拠点の展望:スマート工場最前線(2/2 ページ)
DMG森精機が欧州市場の深耕を図っている。ドイツのフロンテン工場を着々と増強しており、2027年には欧州統括会社の新たな本社がミュンヘンで稼働する。本稿では、フロンテン工場の人材育成の取り組みや今後の展望を紹介する。
ソフトウェア検査を自動化へ、中国依存度の低減模索
目下の課題は、回復する市場の需要に対する対応だ。DMG森精機の2026年第1四半期(2026年1〜3月決算)では、ドイツを含むEMEA(欧州、中東、アフリカ)の受注金額は前年同期比28%増となった。
「今、直面している課題は、生産能力を高めることだ。ここ2〜3年は市場が落ち込んでいたが、2026年に入ってから需要が回復しており、需要に対して生産能力を追い付かせる必要がある。フロンテン工場の生産能力自体は需要に対応できるものだが、増えていく需要にどのように対応していくかをしっかりと計画しなければならない」(コーネリウス氏)
さらなる品質向上に向けて、工作機械のソフトウェア検査の自動化も準備している。現状は工作機械を組み立てる過程で、作業者が機械まで赴いてプログラムを動かし、ソフトウェアに問題が発生しないかを確認している。ただ、これでは顧客ごとに仕様が異なる機械のソフトウェアテストには時間がかかる。需要が逼迫(ひっぱく)するにつれて、テストを行う時間が限られてしまうし、作業者も機械の前から離れることができない。
これを仮想環境で自動的に実行するシステムを考えている。PC内に仮想の工作機械を構築して仮想空間上でソフトウェアを動かし、テストを行うことでソフトウェアの検査工程を自動化し、検査の質と量を向上させようというのだ。
地政学的な変化などを受けて、サプライチェーンの見直しも進める。
「中国への依存を減らす。今は、特に鋳物の調達で中国に依存しているが、ポーランド工場での内製化を進めたい。これは大きな戦略転換ともいえる。従来、特に欧州では外部サプライヤーを頼っていたが、今後は内製化に力を入れたい」(コーネリウス氏)
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