在任中に“トリプル”8000億円達成へ、DMG森精機社長の展望とは:FAインタビュー(1/2 ページ)
DMG森精機のグループ会社であるDMG MORI Ultrasonic Lasertecが、超音波技術を搭載した5軸マシニングセンタを製造するドイツのシュティプスハウゼン工場を拡張した。同工場の開所式に出席したDMG森精機 代表取締役社長の森雅彦氏が、報道陣の合同インタビューに応じ、DMGとの経営統合や工作機械とAI、注力産業などについて語った。
DMG森精機のグループ会社であるDMG MORI Ultrasonic Lasertecが、超音波技術を搭載した5軸マシニングセンタを製造するドイツのシュティプスハウゼン工場を拡張した。2026年6月11日(現地時間)に行われた開所式に出席したDMG森精機 代表取締役社長の森雅彦氏が、報道陣の合同インタビューに応じ、DMGとの経営統合や工作機械とAI、注力産業などについて語った。
日独統合10年、文化の違いを越えて補完関係構築
Q 2026年はDMGとの完全な経営統合から10年に当たります。この間、苦心、苦労されたのはどんな点でしょうか。
森氏 双方とも工作機械が大好きで、工作機械についてユーザーと話すのが大好きな人たちの集団なので、周りから思われるほどの苦労はあまりなかった。特に最近はAI(人工知能)の翻訳機能も発達しており、双方の社員間でもコミュニケーションがしやすくなっている。
ただ、日本人は謙虚になりすぎる時があるので、日本の社員に「言うべき時にははっきりと言わないといけない」と伝えたり、逆にドイツ人ははっきりと言ってくるので「そういう言い方では反発されるよ」と諭したりすることはある。
ドイツ人は圧倒的に議論好きでルールを守るが、他の周辺国のスタッフから見たら“たまったものではない”というケースもある。そこを日本人がまとめることで、欧州として一体感が出るという側面もある。
また、ドイツと日本は、マーケットとして補完関係にある。
経営統合によって森精機として欧州事業を大きく強化できたし、米国におけるわれわれのサービス網を活用することで、ドイツ側の機械が米国でもよく売れるようになった。今、米国で売れているわれわれの工作機械の半分は、ドイツで作られたものだ。
米国の防衛産業ではシーメンスのCNC(数値制御装置)が使われていることが多い。われわれは(CNCメーカーの)三菱電機やファナックと良い関係性を築いているが、シーメンスとも同じような関係性になることができ、われわれの工作機械もよく使ってもらっている。シーメンスのローランド・ブッシュ氏(代表取締役社長 兼 CEO)は身長190cm近いのだが、仰ぎ見るように彼と話すのはなかなか興味深い。
在任中に売上高/総資産/時価総額8000億円へ
Q 経営統合によって売上高は約2倍になった一方、営業利益率はだいたい横ばいとなっています。この状況をどのように見ていますか。
森氏 円安の影響を除けば、現在、約8000億円の総資産となっている。これを1回転させたいと思っている。自分が在任中の2030年頃までに、売上高8000億円、総資産8000億円、時価総額8000億円を成し遂げたいと考えており、そのために人材も建物も先に仕込んでいる状態だ。
MRO(保守、修理、運用)エンジニアを5年で1500人から2200人に増やした。工場も各地に建てている。マグネスケールの新しい工場を奈良(奈良県大和郡山市)に建設したばかりで、太陽工機とDMG MORI Precision Boring(旧倉敷機械)の工場も長岡(新潟県長岡市)に建てている。
仮に売上高が5000億円だと営業利益率が6%くらいになり、6500億円なら8%くらい、7000億円になれば10%くらいになる。売り上げがさらに伸びれば、営業利益率は12〜13%になってくるだろう。
Q 欧州統括会社の新本社をミュンヘンに建設しています。欧州事業を今、強化する狙いとは何でしょうか。
森氏 日本でのシェアは約10%だが、ドイツでは30%近いシェアがある。その市場における強さをしっかりと維持していくための取り組みだ。
欧州ではCRA(サイバーレジリエンス法)の全面適用が迫っている。米国は関税を用いるが、欧州は規制で攻めてくる。欧州の中心に位置するミュンヘンで、それらの動きにしっかりと対応していく。
欧州の大手企業は非常に面白いワークや材料を持ってきてくれる。その技術開発は大変やりがいがあって、われわれにとっては知恵も付くし、ビジネスにもつながる。その点でもドイツと米国は重要だ。
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