製造業が見直すサプライチェーン ものづくり白書で見る経済安全保障の実態:ものづくり白書2026を読み解く(5)(2/2 ページ)
日本のモノづくりの現状を示す「2026年版ものづくり白書」が2026年5月29日に公開された。本連載では「2026年版ものづくり白書」の内容から製造業のDXや競争力などに関するポイントを抜粋して紹介する。今回は、重要性が高まる経済安全保障への対応についての動向を取り上げる。
経済安全保障における課題とリスク分析の観点
経済安全保障への対応を進める上での課題として最も多く挙がっていたのは「経済安全保障に関する観点のリスク分析」で49.5%の回答比率となった。次いで「経済安全保障に関する具体的な対応策の検討」(44.9%)、「国際情勢に関する情報収集」(44.2%)などが続いている。
さらに、この「経済安全保障に関する観点のリスク分析」を挙げた回答者に対し、どういう観点でリスク分析を行っているのかを聞くと、「自社の事業に関わるサプライチェーン」が最も多く、67.7%の回答比率を占めた。次いで「各国の輸出管理を含む規制や政府支援の政策動向」(42.5%)、「各国/地域の地政学環境」(34.4%)、「自社の保有する技術の特徴や優位性」(32.6%)などが続いている。
リスク分析上意識しているサプライチェーンの範囲は、川上側では「2〜3社先」が50.5%で最も多く、「1社先」が45.9%で2位となった。「4社以上先」まで分析しているのは3.6%と低い比率となっている。
リスク分析上意識しているサプライチェーンの範囲(川上型)[クリックで拡大] 出所:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「令和7年度産業関係調査等事業(我が国ものづくり産業の課題と対応の方向性に関する調査)報告書」
一方、川下側については「1社先」が50.7%で最も多く、「2〜3社先」は45.9%となっている。「4社以上先」まで把握しようとする回答はわずか3.3%だった。
リスク分析上意識しているサプライチェーンの範囲(川下型)[クリックで拡大] 出所:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「令和7年度産業関係調査等事業(我が国ものづくり産業の課題と対応の方向性に関する調査)報告書」
調達リスクがあるが安価な製品/部素材と、安定調達できるが高価な製品/部素材の価格差については「5〜10%」が21.5%で最も多い回答となった。次いで「5%未満」(14.8%)、「10〜50%未満」が9.3%となった。
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