AI需要拡大を受け台湾に半導体DFR新工場、生産能力1.4倍へ:工場ニュース
台湾の華旭科技は、感光性ドライフィルムレジスト(DFR)のスリット加工新工場が完成したと発表した。
旭化成は2026年7月3日、台湾に本社を構える子会社の華旭科技が同国で建設を進めていた感光性ドライフィルムレジスト(DFR)「サンフォート」のスリット加工新工場が同日に完成したと発表した。なお、同月中に順次商業運転を開始する予定だ。
現行生産能力の約2倍に拡張可能な設計
旭化成グループは、エレクトロニクス事業をグループ全体の利益成長をけん引する「重点成長」事業と位置付けており、半導体や電子部品の高度化に対応した各種高機能材料の開発と供給体制の強化に取り組んでいる。
一方、近年は、AIの高度化やデータ処理量の増大を背景に、先端半導体パッケージ分野の需要が拡大しており、回路の微細化に対応した高精度かつ高品質な材料への要求が一層高まっている。
これに伴い、半導体パッケージ基板の製造工程で使用される感光性ドライフィルムレジストでも、品質および供給に対して安定性のニーズが高まっている。
特に、主要な半導体パッケージ関連企業が集積する重要な生産拠点である台湾は、近年の需要拡大を受けた供給体制の強化を求められており、顧客に近接した場所で迅速かつ安定的に製品を供給できる体制の構築が重要となっている。
華旭科技は、1997年の設立以来、旭化成グループにおいて感光性ドライフィルムレジストのスリット加工/供給を担う製造拠点の1つとして、こうした顧客ニーズに対応してきた。なお、スリット加工は、顧客工程に適した製品サイズへ加工する重要工程で、品質および供給安定性に直結する役割を担っている。
旭化成グループでは、こうした市場環境の変化に対応するため、華旭科技において新工場を建設し、先端半導体パッケージ用途向け製品の供給体制強化を決めた。
新工場は、先端半導体パッケージ用途向けの高品質な製品供給と生産性向上を目的に掲げ、設計されている。
具体的には、所在地は台湾台南市官田工業区で、製造製品は感光性ドライフィルムレジスト、投資額は約20億円だ。生産能力に関しては、新工場の稼働により、華旭科技全体のスリット加工生産能力は現行比で約1.4倍に拡大する。また、今後さらなる需要拡大を見据え、設備増設などにより最大で現行生産能力の約2倍に拡張可能な設計としている。
新工場の主な特徴は、最新技術を取り入れた設備設計による生産性の向上と、業界トップクラスの高クリーン度化による品質安定性の実現だという。これらの取り組みにより、顧客の高度な品質要求への対応と供給の安定性向上を図る。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
旭化成の素材戦略、次世代半導体のパッケージ材料や水電解システムに重点投資
旭化成は、東京都内とオンラインで説明会を開催し、マテリアル領域における事業ポートフォリオの転換、成長事業の取り組みについて紹介した。
旭化成は6月中旬〜末までエチレンを生産可能、中東情勢悪化の影響とは
旭化成は中期経営計画説明会で、緊迫化する中東情勢が事業に与える影響について見解を示した。イラン情勢などを背景にナフサ価格は倍近くに高騰しており、川上の石化事業を中心に価格転嫁が急務となっている。旭化成への影響や現状とは――。
旭化成 北米でリチウムイオン電池用湿式セパレータの工場建設を開始
旭化成バッテリーセパレータは、2024年11月14日(現地時間)にカナダオンタリオ州ポートコルボーン市で、リチウムイオン電池(LIB)用湿式セパレータ「ハイポア」の製膜/塗工一貫工場の起工式を開いた。
旭化成が185億円で自動車内装材事業を買収、欧州市場の強化へ
旭化成は2020年3月6日、米国の大手自動車シートサプライヤーAdientから自動車内装ファブリック事業を1億7500万ドル(約185億3048万円)で買収すると発表した。
旭化成がリチウムイオン電池用セパレータの塗工能力を2.4倍に、日米韓の拠点増強
旭化成は、リチウムイオン電池用セパレータの米国、日本、韓国における塗工能力を増強することを発表した。
