高速撮像と低ノイズ化を両立した直接変換積分型X線CMOSイメージセンサー:組み込み開発ニュース
ソニーセミコンダクタソリューションズは、最大2万6100fpsの高速撮像と低ノイズ性能を両立した、検査および計測機器向けの直接変換積分型X線CMOSイメージセンサー「IMX711」の量産出荷を開始した。
ソニーセミコンダクタソリューションズは2026年6月9日、高速撮像と低ノイズ性能を両立した、検査および計測機器向けの直接変換積分型X線CMOSイメージセンサー「IMX711」の量産出荷を開始した。
IMX711は、3.73型(27.88×52.85mm)で有効画素数が約28万画素の、直接変換積分型方式を採用したX線CMOSイメージセンサーだ。X線を直接受光し、そのエネルギー量に比例した信号を出力する。
独自の回路技術を導入したことで、最大2万6100fpsと、積分型X線CMOSイメージセンサーとしては業界最高速度になるというフレームレートを達成。これにより、1フレーム当たりの電荷蓄積量を低減させて高い飽和特性を確保し、電荷の飽和を抑制した正確な測定を可能にしている。
さらに、従来の積分型センサーの課題だったランダムノイズの発生を34e-rmsまで大幅に低減させた。低ノイズ化により、低照度環境下での信号検出精度が向上し、微小なX線光子エネルギーの差を捉えられる。
積分型方式では事前に閾値を設定することなく光子のエネルギー情報を高分解能で取得できるため、微弱な光子単位の信号もノイズに埋もれずに安定して検出する。これにより、広いダイナミックレンジでの高精度なX線の総エネルギー量測定と、光子単位でのエネルギー情報の取得という、従来両立が困難だった機能を単一のチップで達成した。
同センサーの応用分野は、半導体や電池製造での高速動体検査で、定量精度やスループットの向上が期待できる。また、高いエネルギー分解能により、光子エネルギーの違いと二次元分布を可視化する元素のカラーマッピングや、光子エネルギー情報と空間情報を融合させた結晶構造解析と元素分析の同時測定など、多機能な後段処理を可能にする。
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