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「IT部門主導」ではDXは成功しない? ものづくり白書が示す意外な結果ものづくり白書2026を読み解く(3)(2/2 ページ)

日本のモノづくりの現状を示す「2026年版ものづくり白書」が2026年5月29日に公開された。本連載では「2026年版ものづくり白書」の内容から製造業のDXや競争力などに関するポイントを抜粋して紹介する。今回は、デジタル技術活用の現在地と、その推進のための「デジタル技術活用戦略」の効果についての内容をまとめた。

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「デジタル技術活用戦略」策定は大企業はIT部門、中小企業は社長が主導

 この「デジタル技術活用戦略」の策定を主導した部門は、大企業では「IT/システム部門」が78.6%と圧倒的な比率を占めた。一方で、中小企業では「最高経営責任者(CEO)、社長」が最も多く53.5%の比率となっている。「2025年版ものづくり白書」では、「デジタル技術を導入/活用するに当たり先導的な役割を果たした人材」として、従業員数50人以下の企業では「経営トップ」、従業員数50人以上の企業では「デジタル技術に精通した社員」の割合が高いという結果が出ていたが、大企業と中小企業での、DXに関する意思決定方式の違いを示す結果となっている。

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「デジタル技術活用戦略」の策定を主導した部門[クリックで拡大] 出所:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「令和7年度産業関係調査等事業(我が国ものづくり産業の課題と対応の方向性に関する調査)報告書」

成果が高いのは「横断部門」主導、認知が高いのは「現場部門」主導

 しかし、「デジタル技術活用戦略」の社内での認識浸透度を、策定主導部門ごとに見てみると、大企業で最も多かった「IT/システム部門」が主導した場合は、「社内で共有、理解されている」とした比率が最も低かった(33.3%)。逆に最も高かったのは「現場部門」で、56.7%を占めた。また、「社内横断組織/経営企画部門」が43.3%と比較的高い比率となっている。

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「デジタル技術活用戦略」の社内での認識状況の主導部門別比較[クリックで拡大] 出所:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「令和7年度産業関係調査等事業(我が国ものづくり産業の課題と対応の方向性に関する調査)報告書」

 さらに詳しく見ると、主導部門別での別の違いも見えてきた。「デジタル技術活用戦略」での成果の有無について、戦略策定主導部門ごとにまとめたところ、「想定通りの成果は得られた」の比率が最も高かったのは「社内横断組織/経営企画部門」で31.7%となっている。次いで「現場部門」(21.4%)、「経営層」(18.5%)となっており、「IT/システム部門」が主導した場合に想定した成果が得られたのは17.8%にとどまっている。

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「デジタル技術活用戦略」による成果の有無の主導部門別比較[クリックで拡大] 出所:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「令和7年度産業関係調査等事業(我が国ものづくり産業の課題と対応の方向性に関する調査)報告書」

 つまり、DXにおける成果から逆算した場合、「デジタル技術活用戦略」の策定を主導するのは「社内横断組織/経営企画部門」が最も高い成果創出率を示しており、浸透度を重視した場合は「現場部門」の主導で行った場合が最も社内での認知度が高くなる。しかし、現状で「デジタル技術活用戦略」を主導して進めているのは、大企業では「IT/システム部門」で、中小企業では「経営層」となっている。このギャップが、DXがなかなかうまく進められない企業の課題になっているのではないだろうか。

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