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「IT部門主導」ではDXは成功しない? ものづくり白書が示す意外な結果ものづくり白書2026を読み解く(3)(1/2 ページ)

日本のモノづくりの現状を示す「2026年版ものづくり白書」が2026年5月29日に公開された。本連載では「2026年版ものづくり白書」の内容から製造業のDXや競争力などに関するポイントを抜粋して紹介する。今回は、デジタル技術活用の現在地と、その推進のための「デジタル技術活用戦略」の効果についての内容をまとめた。

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 経済産業省、厚生労働省、文部科学省は2026年5月29日に「2026年版ものづくり白書(ものづくり基盤技術振興基本法第8条に基づく年次報告)」を公開した。

 ものづくり白書とは「ものづくり基盤技術振興基本法(平成11年法律第2号)第8条」に基づき、政府がものづくり基盤技術の振興に向けて講じた施策に関する報告書だ。2026年で26回目の策定となる。経済産業省、厚生労働省、文部科学省の3省が共同で作成しており、モノづくりに関する基礎的なデータや、その年の課題や政府の取り組み、モノづくり振興施策集などを紹介している。

 今回は、デジタル技術活用の現在地と、その推進のための「デジタル技術活用戦略」の効果について紹介した、第4章第3節第1項の内容をまとめた。

⇒過去の「ものづくり白書を読み解く」はこちら

「人」に関する問題を「デジタル」で解決したいニーズが高い

 ものづくり白書の作成に向けて実施された三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査「令和7年度産業関係調査等事業(我が国ものづくり産業の課題と対応の方向性に関する調査)報告書」によると、製造業が抱える経営課題として最も多くの回答を集めたのは「労働人口の減少」で69.8%が危機感を持っているということが分かった。さらに、この解決にデジタル技術を活用したいというニーズも40.7%となり、最も高い比率となっている。

 さらに、「働き方改革への注目と規制強化」も47.6%が経営課題として挙げており、デジタル技術で解決したいというニーズも26.9%と高い比率を占めた。この結果を見ると、従来は優秀な人材によって支えられてきた製造業の各業務に対し、人手や労働時間が限られる状況になった時にどうすべきかというのは深刻な課題となっており「デジタル技術での代替」を積極的に進めようとする動きが広がっていることが分かる。

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解決のためにデジタル技術の活用を想定している自社の経営課題[クリックで拡大] 出所:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「令和7年度産業関係調査等事業(我が国ものづくり産業の課題と対応の方向性に関する調査)報告書」

 一方で「サプライチェーンコスト上昇要因の増加」(経営課題で38.6%)や「市場競争環境の変化」(経営課題で33.6%)、「脱炭素や脱プラなどの環境意識の高まりと規制強化」(経営課題で25.1%)などは、経営課題として高い比率の回答を集めているにもかかわらず「デジタル技術で解決したい」という割合が10数%以下と低く、特徴的な反応となっている。

 「デジタル技術の進展に伴う情報漏洩(ろうえい)リスクの高まりと規制強化」については、経営課題として挙げている回答が33.2%に対し、当然ではあるが「デジタル技術で解決したい」とする回答が25.6%と高い比率を示している。

「デジタル技術活用戦略」は中小企業は半数以上が「策定予定なし」

 DX(デジタルトランスフォーメーション)を戦略的に進めていくためには、取り組みを全社的なものにしていく必要があり、全社的にデジタル技術の活用に向けた戦略と事業計画が必要になる。この「デジタル技術活用戦略」の策定状態を確認したところ、企業規模に応じて大きな違いが生じた。大企業については「既に策定している」が35.7%、「現在策定中」が19.8%で、合計55.5%が何らかの用意をしている。

 一方で、中小企業については「既に策定している」は7.2%、「現在策定中」は11.0%で、合計でも18.2%にとどまっている。そして「策定しておらず、予定もない」が55.0%となり、大企業と比率が逆転している。

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デジタル技術活用戦略の企業規模別の策定状況[クリックで拡大] 出所:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「令和7年度産業関係調査等事業(我が国ものづくり産業の課題と対応の方向性に関する調査)報告書」

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