量子コンピュータ実用化の壁を突破、測定回数を最大1000分の1に削減する技術:CAEニュース
QuemixとSCSKは、量子コンピュータの実用化を阻む課題の1つである結果の読み出し効率を大幅に改善する「PODリードアウト」技術を発表した。解に必要な情報だけを直接抽出し、測定回数を最大1000分の1に削減する。
QuemixとSCSKは2026年6月2日、量子コンピュータにおける実用化のボトルネックを解消する技術「PODリードアウト」を発表した。解に必要な特徴だけを直接抽出することで、結果の読み出しに伴う測定回数を最大1000分の1に削減する。これにより、量子計算の高速性を損なうことなく、シミュレーションや解析用途の実用化を加速する。
シミュレーションや解析などの需要が高度化するなか、従来型コンピュータの能力は限界を迎えつつある。一方、量子コンピュータでは計算結果を取り出す工程が全工程に占める割合が大きく、これが本来の高速性を損なう原因となっていた。
同技術は、量子コンピュータの膨大な計算結果のうち、解に必要な重要情報だけを直接抽出する。流体計算に注目し、事前に古典計算による数値流体計算から再構築用フィルターとなる「POD基底」を構築し、量子回路に埋め込んで測定する。
この手法の測定回数は、従来手法に対して最大で1000分の1になる。より少ない測定回数で、目視では識別できないレベルの高精度な読み出しを実現することで、測定回数の削減と高精度化を両立し、量子計算の高速性を確保する。
活用先としては、航空機や自動車設計における数値流体計算シミュレーション、電池向け新材料の分子シミュレーション、金融分野、CGやデジタルツイン分野がある。今後は、汎化性能の研究と実証実験を通じて、ソリューションの創出を目指す。
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