ガラスの透明性を維持するフルカラー3Dホログラムの作製手法を開発:組み込み開発ニュース
NHK放送技術研究所らは、ガラスの透明感を維持したままフルカラー3次元像を表示する、透過型の表面レリーフ型ホログラムを開発した。基板表面の凹凸を約0.5μmに抑えることなどにより、高い透明性を維持できた。
NHK放送技術研究所は2026年5月19日、東京科学大学と共同で、透明なガラス基板越しにフルカラー3次元像を表示する、透過型の表面レリーフ型ホログラムの作製手法を開発したと発表した。店舗のショーウィンドウ越しに商品の立体解説を表示したり、博物館で展示物に重ねて案内を表示したりするなど、透過型3次元像表示システムの応用が期待される。
本技術は、基板表面の微細な凹凸によって光の進むタイミング(位相)を変調する表面レリーフ型ホログラム技術を応用。従来では、透明な基板表面に深い段差や鋭い凹凸構造を作る必要があり、光を散乱させて背景が濁って見えるという課題があった。また、フルカラー化には赤、緑、青の基板を重ねるなどの複雑な構造が必要で、透過度が低下する要因となっていた。
今回の研究では、光の振幅(波の大きさ)を活用する設計手法を導入。これにより、従来は深さ約1μmだった基板表面の凹凸を、約0.5μmの浅い段差かつ滑らかな連続する形状にすることが可能になった。その結果、余計な光の散乱が抑えられ、高い透明性を維持できた。
さらに、1枚のホログラムで赤、緑、青の各色に対応した光を別方向から照射し、各色の3次元像を同位置に重ね合わせる技術を確立し、シンプルで高透過な構造を可能にした。
本技術に基づき、半導体微細加工技術を用いて試作したホログラムのサイズは約123mm×123mm、ピクセル数は24万5760×24万5760、ピクセルの間隔は0.5μmという超高精細な画素構造を有している。また、凹凸構造の高さを32段階で調整し、段差の不連続性を抑え、精密に光の情報を再現する。視域は水平19×垂直28度を確保し、視点移動に伴って像が滑らかに変化する自然な立体感を実現した。
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