三菱電機が過去最高更新、データセンター需要とFA回復がけん引し成長戦略を加速:製造マネジメントニュース(2/2 ページ)
三菱電機の2025年度の連結業績は、売上高や利益の主要指標で過去最高を更新する結果となった。2026年度もさらに過去最高を更新する見込みだという。
2026年度も過去最高更新を見込む
中東情勢などは不安定な状況が続くが、既にマイナス影響分として調整後営業損益に60億円分のマイナス効果を織り込んでいるという。「中東の原油調達の問題については、原油そのものよりナフサからできる樹脂の調達と輸送費の面での影響となる。この2つの合計が60億円となる。最も影響を受ける事業は空調・家電事業で6割以上を占める」と三菱電機 常務執行役 CFOの藤本健一郎氏は説明する。
また、その他の素材価格高騰の影響も約540億円のマイナス影響を見込む。「最も影響が大きいのが銅で、その他ではメモリ価格、銀の価格なども高騰している。事業別に見ると、空調・家電が最も大きく240億円程度のマイナス影響があると見込む。次いで自動車機器とFAシステムが130億円程度のマイナス影響となる見込みだ」(藤本氏)。ただ、これらのマイナス影響も既に織り込んだ上で、2026年度も過去最高を更新する業績を目指す。
2026年度の通期業績は、売上高6兆2000億円、調整後営業利益5900億円、調整後営業利益率9.5%を目指すという。藤本氏は「2026年度も防衛関連の規模増加、FAシステムの回復、データセンター向け需要の拡大で成長が期待できる。構造改革についてはおおむね終了し、成長戦略に軸足を移していく。ビジネスモデルを『コンポーネントのみ』から『コンポーネント+サービスおよびソリューション』に移していく」と説明する。
また、漆間氏は「成長戦略の考え方として、Nozomi Networksの買収や、燈とSakana AIへの出資などを軸に、コンポーネントにサービスなどを加えて付加価値を上げることに取り組んでいく。併せて、データによって得られる価値を展開していく。各種機器のフィジカルAI化を進め、さまざまな形でAIを活用しながら、機器を組み合わせた価値を創出し、事業を展開していく」と語る。
東芝、ロームとのパワー半導体統合は、両社の統合と別で進める
ポートフォリオの変革についても着実に進める考えだ。ローム、東芝と進めている、パワー半導体事業の3社統合について、漆間氏は「可能な限り日本企業が一致団結して他国に負けないチップを開発するのが重要だと考え、合従連衡を進めてきた。3社ともパワー半導体の統合は、賛成だという認識だ。ただ、生産も開発もある中で、どのように最適化するのか、最新鋭設備をどう活用するのかなど、詰めなければならない点を、虚心坦懐(きょしんたんかい)に進めていきたい」と考えを述べる。
ただ、その順番については、まず、東芝とロームが、パワー半導体以外のデバイスや半導体も含む事業統合についての話し合いを進め、その上でパワー半導体の3社統合の話を別で進める形だという。「東芝とロームはパワー半導体以外もあるので、これらの統合と、パワー半導体の3社連合の話は別となる。三菱電機としては、パワー半導体の方のみとなる。並行して進めて早期に合意に達したいと考えている」と漆間氏は説明する。
また、自動車機器事業において、鴻海精密工業と協業を発表したが、自動車機器事業を担う子会社である三菱電機モビリティへの50%出資受け入れも視野にした理由について、漆間氏は「鴻海精密工業とは2025年11月に包括契約を結び、まず第一弾としてデータセンターに取り組むMOUを結んだ。今回は自動車機器分野で協業を広げた。鴻海精密工業の自動車に、三菱電機の電装品を組み合わせることで利点ができるのではないかと考えている。折半出資としたのは三菱ブランドを守りやすく、両社ともに動きやすいからだ。さらに協業分野が出てくれば包括契約の中でさらに進めるかもしれない」と答えている。
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