リコーが温室効果ガスの削減目標を上方修正し、2030年度に2015年度比75%削減へ:脱炭素
リコーは、2026年度から開始した新中期経営戦略において、新たなESG戦略を策定した。スコープ1、2の2030年度GHG削減目標を、従来の2015年比63%減から75%減へ引き上げるなど、脱炭素社会への取り組みを加速する。
リコーは2026年4月8日、2026年度から開始した新中期経営戦略において、新たなESG(環境、社会、ガバナンス)戦略を策定し、重要社会課題とESGの目標を改定したと発表した。
具体的なGHG(温室効果ガス)削減目標として、2030年度におけるスコープ1、2の削減率を、従来の63%から75%(2015年度比。以下同)へ引き上げた。また、2050年度に90%削減する目標はこれまでスコープ1〜3の合算としていたが、スコープ1、2は2040年度に、スコープ3は2050年度までにそれぞれ90%削減する個別目標を新たに設定した。これらの目標は、国際的なイニシアチブSBTiの「Net-Zero Standard」に基づくネットゼロ目標として認定されている。
再生可能エネルギーの導入率目標についても、2030年度に50%を85%へと上方修正した。国内では、地域社会との共生が可能な再エネ調達を推進するため、独自の「再エネ総合評価制度」の見直しを進める。
同制度は、価格だけでなく追加性のある電源であること、環境負荷の低さ、地域社会が出資する発電所であることなどを総合的に評価する仕組みで、2021年に導入された。今回の見直しでは、生物多様性や人権への配慮、土地の有効利用などの観点を加えて専門家の助言を取り入れた上で、2026年度中の運用開始を目指す。
同社は2017年に日本企業として初めて「RE100」に参加して以来、自社施設に太陽光パネルを設置して直接的に電力供給(オンサイトPPA)したり、遠隔地の発電所からクリーンな電気を調達(オフサイトPPA)したりと、追加性のある再エネの利用を拡大してきた。策定した評価基準については、グループ内だけでなく社会で広く活用されるための取り組みを進め、日本国内の再エネ拡大に貢献していく。
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