親指の付け根で止血、カテーテル治療対応のデバイス:医療機器ニュース
テルモは、手の親指の付け根に位置する遠位橈骨動脈からのカテーテル治療に対応した、新しい止血デバイスを発売する。合併症リスクや患者の安静時間、医療従事者の止血管理における負担軽減を目指す。
テルモは2026年4月2日、手の親指の付け根部分に位置する遠位橈骨動脈からのカテーテル治療(遠位橈骨動脈アプローチ:DRA)に対応した、新しい止血デバイス「TR Band Distal(ティーアール・バンド・ディスタル)」を発表した。同年4月より国内で販売を開始し、希望小売価格は5000円(税別)となる。
TR Band Distalは、橈骨動脈用の止血デバイス「TRバンド」シリーズで培った技術を基盤に、視認性や装着の快適性、圧迫調節機能を高めた設計を採用した。止血中に手首の可動を妨げにくいYストラップ構造を導入し、ベルト部には装着時の不快感を抑える柔らかな素材を使用している。バルーン部分は、深部の血管も確実に圧迫できるよう楕円形に設計された。
医療現場の使いやすさも追求した。止血状態の確認を容易にするために、透明構造で視認性を高めた。左右どちらの手にも使用可能だ。
カテーテル治療では、デバイスの改良や低侵襲化に伴い、穿刺部位の選択肢が拡大している。中でもDRAは、患者が術中に楽な姿勢を維持できるほか、圧迫止血時間が短く術直後から手を使える利点がある。また、橈骨動脈閉塞のリスクが比較的低いアプローチサイトとしても関心が高まっている。
テルモは、カテーテル治療後の合併症リスクや患者の安静時間、止血に携わる医療従事者の負担を考慮し、最適な穿刺部位や止血方法を選択するEntry Site Managementを提唱している。同製品の投入で止血デバイスの製品群を拡充し、より安全で負担の少ない治療に貢献する。
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