日産が反転攻勢に向け新たな長期ビジョンを発表、「AIDV」による知能化が中核に:製造マネジメントニュース(3/3 ページ)
日産自動車が経営再建計画「Re:Nissan」の先を見据えた長期ビジョンを発表。AIDV(AIデファインドビークル)を中核とするなど、日産として新たな道筋を明確化することで、Re:Nissanの発表から販売の落ち込みが続いた日本市場の刷新感を与えるとともに、一足先に回復軌道に乗った北米/中国市場における成長基盤の構築を進めたい考えだ。
事業モデルとグローバル市場戦略の再構築
「事業モデル」では、共通の車両プラットフォーム、パワートレイン、ソフトウェアプラットフォームを基盤としたアーキテクチャ主導の開発に移行する。3つに集約した商品ファミリーによってグローバル販売の80%以上を担い、開発スピードと技術の導入を加速しながら、モデル当たりの販売を30%以上拡大する。なお、3つの商品ファミリーを構成することになるのが、2028年度以降の市場投入を想定する米国中心のフレームファミリーと、日本中心のコンパクトファミリーである。
さらに、開発と生産が初期段階から一体となって取り組むことで、品質の向上とコスト規律を徹底し、競争力の高い商品を迅速に投入する。現時点で、開発期間を40%短縮しており、新モデルの市場投入までの期間も最短で30カ月を実現しているという。調達でも、部品点数で20%、部品種類で70%の削減を目指すとしている。
「市場」については、日本と米国、中国の3カ国をリード市場と位置付け、グローバル市場戦略を再構築する。
日本市場では、エルグランドから搭載を始める次世代プロパイロットの導入や、Wayve、Uberと協業するモビリティサービスの展開など、先進技術の実証をリードする。パトロールに加え、「キックス e-POWER」や「ムラーノ」などでSUVのラインアップを拡充し、2028年度以降には効率的に開発したコンパクトカーシリーズを新たに投入するなど、主力モデルのラインアップを強化していく。2030年度までに年間55万台の販売を目指す。若年層へのアプローチによりブランド力と長期的な競争力の向上も図る。
米国市場は、日産自動車にとって安定的な収益を確保し、持続的な成長を支える基盤の位置付けであり、2030年度までに年間100万台の販売を目指す。米国の市場戦略は、大型車でのリーダーシップと高い現地化率に支えられた強固な生産基盤に基づく。次世代のローグe-POWERや、V6エンジンとV6HEVシステムを搭載するエクステラなどのフレーム車で商品力を強化し、フレーム車より一回り小さいDセグメントのSUVでも顧客のニーズが高いV6エンジン仕様を維持する。なお、EVへの投資は顧客の動向と政策の変化を見極め、規律を保ちながら柔軟に対応する。先述したインフィニティの新型モデルの投入も重要な戦略となる。
中国市場は、高い開発スピードとコスト競争力を生かしてグローバルな輸出を担う拠点となる。まず、NEV(新エネルギー車)ラインアップを強化することで中国市場での販売を強化し、2030年度までに年間100万台の販売を目指す。そして、中国市場で販売を伸ばす「N7」は、ラテンアメリカと東南アジアへ、フロンティア プロはラテンアメリカ、東南アジア、中東など広範に輸出し、現地での電動車両の選択肢を拡充し、さらなる成長の機会を創出していく。中国は現地での成長を果たすだけでなく、グローバルな商品ポートフォリオの強化にも貢献する。
これら3市場の他、優位なポジションを築くメキシコと中東は重点市場として引き続き注力する。欧州、インド、アフリカを含むその他の市場への展開も継続するとしている。
なお、日産自動車は2026年5月13日の決算発表でRe:Nissanの進捗状況を説明し、同年後半には今回の長期ビジョンに基づいた戦略の方向性を発表する予定である。
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