ケミトックスは2026年4月14日、ペロブスカイト太陽電池の特性に対応した新たな出力測定手法を開発したと発表した。
ペロブスカイト太陽電池は、従来の結晶シリコン太陽電池と同一条件で測定しても正確な評価が難しいことが知られている。今回の測定手法は、こうした課題に対応し、より適切な出力評価を支援するものである。なお、同社はこの手法について既に特許出願を行った(特願2026-005206)。
2つの測定方法を統合
近年、次世代太陽電池として注目されるペロブスカイト太陽電池は、研究開発や実用化の検討が急速に進んでいる。一方で、その性能評価には独自の難しさがあり、従来広く用いられてきた結晶シリコン太陽電池向けの測定方法をそのまま適用すると、正しい出力測定ができない場合がある。つまり、結晶シリコン太陽電池は、一般に光応答が高速かつ安定しているため、ミリ秒オーダーの短時間光照射によるパルス型ソーラーシミュレーターでの測定が可能である。
これに対し、ペロブスカイト太陽電池は光応答特性が遅く、I-V((電流-電圧))特性測定には早くても数秒程度、場合によっては数十分を要する。さらに、光を照射すること自体によって特性が徐々に変化するため、光照射する時間も考慮する必要があり、測定時間の長時間化が課題となっている。
現在、ペロブスカイト太陽電池の性能測定では、「MPPT(Maximum Power Point Tracking)による最大出力値測定」と「長時間掃引によるI-V特性測定」が使用されている。
今回の測定手法は上記の測定方法を統合したものだ。新手法は、MPPTによる最大出力測定値と、I-V特性測定による最大出力測定値の一致に対応している。これらの測定を統合することで、測定時間の短縮化を実現できる。
これらの機能により、ペロブスカイト太陽電池に対して精度の高い結果をより短時間で得られる。さらに、I-V特性測定の掃引が一元化することで、製品によっては、50%程度の時間短縮が可能となる。
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