独自NPUを統合したエッジAI用新型マイコン2種を発表:人工知能ニュース
Texas Instrumentsは、AI推論時のエネルギー消費を120倍以上低減し、レイテンシを最大90倍短縮する独自のNPU「TinyEngine」を統合した新型マイコン2種を発表した。産業用ロボットなどの開発効率向上に寄与する。
Texas Instruments(TI)は2026年3月12日、あらゆるデバイスでエッジAI(人工知能)を展開するため、独自のNPU(ニューラルプロセッシングユニット)「TinyEngine」を統合した新しいマイコン2種を発表した。
TinyEngineはTIの統合型NPUで、アクセラレーターを搭載しない同等の従来品と比較して、AI推論時のエネルギー消費を120倍以上低減し、レイテンシを最大90倍短縮する。
新マイコン「MSPM0G5187」と「AM13Ex」は、この効率性に優れたTinyEngineを搭載するため、リソース制約の厳しいバッテリー駆動機器でのAI処理が可能になる。
MSPM0G5187は「Arm Cortex-M0+」CPUを搭載した汎用マイコンで、1000個購入時の単価が1ドル(約160円)未満のため、コストを抑えながら他のマイコンなどの代替として利用できる。
AM13Exは、高性能な「Arm Cortex-M33」コアとTinyEngine、高度なリアルタイム制御アーキテクチャを1チップに統合しており、最大4台のモーターを精密に制御しながら、負荷センシングやエネルギー最適化のための適応制御アルゴリズムを実行する。外付け部品を必要としないため、部品表コストを最大30%低減できる。
両製品とも、エッジAI向け統合開発環境「CCStudio」や、60以上のモデル例を備えるソフトウェア開発ツール「CCStudio Edge AI Studio」に対応し、自然言語によるコード開発や迅速なモデル展開を支援する。
同社は、両製品とエコシステムの拡充により、ウェアラブル機器から産業用ロボットまで、幅広い分野でのエッジAI導入を加速させる。
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