エッジAIでのリアルタイム制御と安全性を強化するマイコンを発表:組み込み開発ニュース
Texas Instrumentsは、エッジAIにおけるリアルタイム制御と安全性を強化するマイコン「TMS320F28P55x」「F29H85x」シリーズを発表した。TMS320F28P55xはNPUを、F29H85xは、同社の64ビットC29デジタル信号プロセッサコアを搭載する。
Texas Instruments(TI)は2024年11月26日、エッジAI(人工知能)におけるリアルタイム制御と安全性を強化するマイコン「TMS320F28P55x」「F29H85x」シリーズを発表した。「TMS320F28P550SJ」「TMS320F28P559SJ-Q1」は量産開始前の数量を注文でき、「F29H850TU」「F29H859TU-Q1」は、同年末までに提供を開始する。
TMS320F28P55xシリーズは、NPU(ニューラルプロセッシングユニット)を内蔵したリアルタイムマイコンで、最大99%の故障検知精度でのリアルタイム制御を可能にする。このNPUは、従来のソフトウェア実装に比べて5〜10倍低いレイテンシを実現し、迅速な応答性が求められるエッジAIアプリケーションに適している。また、同社が提供するAIツールチェーンを活用すると、AIモデルの開発プロセスを簡素化してエンジニアの負担を軽減する。
F29H85xシリーズは、同社の64ビットC29デジタル信号プロセッサコアを搭載し、既存のC28コアに比べてリアルタイム性能が2倍以上に向上した。同シリーズはISO 26262やIEC 61508、産業安全規格のASIL DおよびSIL 3に準拠している。サイバーセキュリティ機能として、完全分離型のハードウェアセキュリティモジュールやメモリ保護機能を搭載する。
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